富士通総研

ENVIRONMENT SERIES No.5

要旨

環境報告からサステナビリティ報告への移行

主任研究員 生田 孝史

国内では、大手企業を中心に環境報告書を公表する企業が増えており、環境報告書の作成は「当然」の企業行動となりつつあるが、昨今、欧米を中心に、環境対応に加えて社会・経済面に総合的に配慮する企業の持続可能性(サステナビリティ)の情報開示に対する関心が高まっている。日本企業においても、海外のステイクホルダーの関心や国内の消費者・地域社会の意識の変化を考慮し、電機、商業(小売)、電力・ガス、輸送機器などを中心に、2003年8月末現在、53社がサステナビリティ報告書の作成に取組んでいる。サステナビリティ報告に対する取組みは、まだ緒についたばかりであり、形式的な対応にとどまっている企業も少なくない。サステナビリティ報告の質を高めるためには、企業によるサステナブル経営の実効性の向上と、標準的な評価手法の確立が求められる。

森林再生と近代森林経営システムの構築について

主任研究員 梶山 恵司

わが国森林面積の4割を占める人工林の荒廃は、資源が未成熟で森林整備の経費ばかりかかる段階の森林がほとんどであることに起因している。それにもかかわらず、短伐期での皆伐が依然として繰り返されており、この方式では植林コストを賄えないことから、再造林放棄地が拡大の一途をたどっている。

森林再生のためには、皆伐停止措置を導入することが不可欠であり、その代替として公的資金で全人工林の間伐を行わざるをえない。したがって、森林整備コストを可能な限り削減する近代森林経営システムを構築しなければならず、そのためには、行政と森林組合が一体となって所有者に対する啓蒙活動や森づくりに対するコンサルタント業務を行うとともに、地域森林の情報を整備して、地域全体の森林の状況を的確に把握し、地域森林を一元的に管理する必要がある。このように、森林組合は純粋な管理機能に特化し、実際の間伐作業や伐採は、入札などの競争原理を導入すれば、森林整備コストは大幅に削減されよう。

近代森林経営システムを核に、間伐と同時並行で路網の整備・地域森林情報の整備を行っていけば、資源の成熟とともに、林業は徐々に自立できるようになろう。

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