ENVIRONMENT SERIES No.3
要旨
早期実用化に向けた燃料電池自動車の開発動向
研究員補 安高 啓朗
本稿では、運輸部門の温暖化対策として期待される燃料電池自動車(FCV)について、特に早期実用化に向けた課題としての燃料選択問題に注目しつつ、主要各国の開発・普及促進動向を整理する。FCVの開発を巡っては自動車メーカーによる激しい早期実用化競争が行われているが、巨額のR&D投資の必要から合従連衡が進んでおり、4強に収斂しつつある。また、日米独を中心に多くの国が産業界とパートナーシップを組んで開発を促進しており、基礎研究を大きな柱とする米国、州レベルの取組が活発なドイツ、早期実用化に積極的な日本といった特徴が見られる。早期実用化に向けた課題としては燃料選択問題の解決が重要であり、FCVのマーケットを立ち上げていくために政府はインフラ整備をより積極的に促進していく必要がある。
温暖化対策技術の普及と市場拡大に関する考察
主任研究員 生田 孝史
中央環境審議会地球環境部会目標達成シナリオ小委員会の中間とりまとめに報告された92種類の温暖化対策技術について、追加的削減費用が安価な順に100%導入されれば、総削減費用がプラスにならない範囲で、約1.3億t-CO2までの排出削減が可能である。温室効果ガスの排出が増大している運輸・民生部門における対策技術の普及は、京都議定書への対応だけではなく、関連市場規模の拡大という点でも大変重要であり、ポテンシャルの75%が普及すれば、1兆円程度の市場拡大が見込まれる。運輸・民生部門の対策技術を普及させるためには、技術革新に加えて、社会システムの整備がとりわけ重要であり、我が国産業の国際競争力確保という観点からも、効果的かつ効率的な施策の導入が望まれる。
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