貨物ゲートウェイ空港の国内立地のための方策
-アジアの活力を取り込んだ経済成長向上に向けて-
主任研究員 木村 達也
2008年11月
要旨
- 労働力人口減少下でのわが国の今後の経済成長には、アジアの活力をわが国に呼び込む必要性が高く、この面で国際航空貨物分野が注目される。日本国内での貨物ゲートウェイ空港の立地は、(1)ロジスティクスの大規模なハブ化による日本国内における生産・雇用の創出、(2)物流コストの低下、(3)国内産業の空洞化の回避――のメリットがある。
- 近年国際航空貨物分野では、わが国の空港、航空会社ともに国際競争力を落としている。その一方で大韓民国、大韓航空の競争力の向上が目立っており、これらの戦略には、わが国国内に貨物ゲートウェイ空港を立地させるために学ぶべき点が多い。
- 90年代にゲートウェイ機能を失ったわが国の港湾の経験から、ゲートウェイ空港も一度近隣の海外に確立されると、わが国への奪還は難しいとみられる。またゲートウェイ空港は、アジア域内だけでなく、アジア-北米、アジア-欧州を対象にする必要がある。
- 貨物ゲートウェイ空港に必要な条件は、(1)完全24時間稼動、(2)3,500m以上の複数の滑走路を持つこと、(3)国際線、国内線双方の発着が十分可能なこと、(4)空港内に荷役のために十分なスペースと施設を備えること、(5)貨物専用便のために十分な発着枠を保有すること、(6)以上((1)~(5))の条件を現状で満たしているか早急に満たすことが可能なこと――であり、わが国でこれらを満たす空港は関西国際空港、唯一つである。
- わが国に貨物ゲートウェイ空港を立地させ、経済成長の向上につなげるためには、(1)関西国際空港に貨物ゲートウェイ空港化の施策を集中すること、(2)関西国際空港株式会社の過重な債務の国費による解消、(3)全面的なオープンスカイ化を推進すること、(4)貨物ゲートウェイ化のメリット拡大のための税制優遇措置と特区の設置――が必要である。
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