女性労働者の出生行動と金銭的インセンティブ
-健康保険組合データに基づくパネルデータより
研究員 河野 敏鑑
2008年3月
要旨
本稿は、家計に対する出産に関する一時金が、出生に対し、どのような効果を持つのかを実証的に明らかにしようとするものである。日本の総人口の約4分の1は、健康保険組合の被保険者または被扶養者であるが、健康保険組合の半数以上が被保険者または被扶養者に対し、法定の出産育児一時金に上乗せして、独自に付加給付を行っている。本稿では、健康保険組合のパネルデータを用いて、組合ごとの個別効果を調整した上で、一時金が女性被保険者(女性労働者)の出生率に与える影響を分析した。その結果、1.一時金が出生率を上昇させる効果は給与の低い組合でも高い組合でも見られない。2.報酬が出生率に与える効果は、給与の低い組合では見られるが、給与の高い組合では見られないことが分かった。
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