中国における日系企業経営の問題点と改善策
主席研究員 朱 炎
2007年5月
要旨
- 中国経済の高成長にともなって、日本企業は中国に積極的に進出し、事業を拡大している。しかし実際、中国における日系企業はさまざまな経営問題を抱えている。こうした問題は日本の企業制度や日本的経営にも関連する。
- 人事・労務管理については、日本の制度をそのまま導入する場合、中国の事情に合わず、従業員へのインセンティブが欠如している。人の現地化の遅れは、経営コスト、調達、販売などさまざまな面に影を落としている。
- 日系企業のコストが高いことも中国での事業展開の障害である。大量の派遣駐在員の人件費負担が大きく、日系企業同士の取引が多いため調達コストが高く、品質への過度のこだわりなどが、コストを押し上げた。これも日本的経営と関連する。
- 企業組織面では、日本企業は在中国子会社への権限移行が不十分、独自の裁量権限が小さく、中国事業を戦略的に展開することが難しい。中国での収益が低いため、本社の補填で黒字を維持する企業が多い。また、在中国統括企業も十分に機能していない。
- 中国における日系企業のプレゼンスの低下や、社会貢献とその宣伝の不十分、突発事件や不祥事への対応が遅れるなどによって、中国社会における日系企業のイメージが低下し、日系企業の事業展開にマイナス影響を及ぼしている。
- 市場戦略に関しては、中国市場への投入が不十分ことや、組織体制の弱さが問題である。市場の変化に対応して戦略調整や事業の再編が遅い。
- 日系企業は、こうした問題点を解決し、経営を改善するため、中国事業の経営戦略の調整、現地法人の自主性と自立性を促し、人の現地化を推進することが必要である。また、日本的経営と中国での相性を認識する必要もある。
全文はPDFファイルをご参照ください。
PDF 中国における日系企業経営の問題点と改善策 [1273KB]
