富士通総研

  1. ホーム >
  2. 調査・研究成果 >
  3. 研究レポート >
  4. 2007年 >
  5. サプライチェーンのCSR戦略

サプライチェーンのCSR戦略

主任研究員 生田 孝史

2007年1月

要旨

グローバル化の進展、企業自身の対策の遅れ、途上国における環境・社会問題解決主体としての大手企業に対する期待などの理由から、サプライチェーンにおけるCSR(企業の社会的責任)の取り組みの重要性が高まっている。企業は、社会的・環境的側面からのサプライチェーン全体を最適に管理し、従来のサプライチェーンマネジメントにおける経済合理性とのバランスをとらなければならない。

欧米の多国籍企業は、サプライチェーンのCSRに関して、厳しい要請を受けてきた。サプライチェーンに特化したCSR評価手法の検討も進んでいる。アパレル業界、コーヒー業界、電機業界等を中心に、先行的な取り組みが行われているが、特に途上国においては、取引先の行動を監視する規制型の取り組みの費用対効果が疑問視されており、相互理解による協働型の取り組みに移行することが、長期的な利益につながるという考えが広まりつつある。

日本企業のCSRの取り組みは進展しており、国際的にも高いレベルにあるが、サプライチェーン全体でのCSRにはまだ着手したばかりである。国内主要118社のうち、サプライチェーンのCSRについて何らかの取り組みを行っている企業は39社であったが、その内容・レベルは様々である。現時点では、電機業界や化学・医薬業界において積極的な対応が目立つ一方で、素材関連業界や自動車業界の対応が遅れている。

サプライチェーンのCSRにおける日本企業を取り巻く課題は、ステイクホルダーの理解、自社の強みの検証、企業の取り組みを支援する包括的な枠組みの形成である。今後、日本企業が国際競争力を高めるためには、国際的な潮流を勘案しながら、サプライチェーンのCSRの戦略的な検討が必要であり、企業個別の取り組みに加えて、産業界・政府においてもグローバル市場でのCSRのあり方を主導的に議論し、普及を促していく必要がある。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF サプライチェーンのCSR戦略 [1365 KB]