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No.277 :大学における利益相反のマネジメント

主任研究員 西尾 好司

2006年10月

要旨

大学と産業界との連携が活発になるにつれて、大学において企業との共同研究などの研究協力、大学のベンチャー企業への積極的な支援、あるいは教員の企業活動への参加などが増加している。このことは、社会も必要としており、大学として対応する必要がある。その一方で大学は社会的には、教育や研究を行う組織であり、活動から生まれる成果は、社会に広く還元されるということが求められてきた。産業界との連携により、本来大学が期待されている役割に対する疑念をもたれることは避けなければならない。そこで、公共財としての大学の存在と産業界との連携のバランスを保つには、利益相反のマネジメントが必要となる。

米国では、研究資金を提供する連邦政府による規程や州政府の規程をベースに大学関係団体によるガイドラインなどを参考にして、大学で規程を作成し、利益相反のマネジメントを行っている。大学の規程は、制定の目的、定義(利益相反が生じ得る行為、状況の事例)、対象(禁止行為、開示が必要な行為及び状況)、利益の開示(開示する職員の範囲、開示項目、開示手順)、利益の審査を行う主体及び手順、相反が発生した(することが十分に予想できる)場合のマネジメント(緩和、除去のための手順の指定と例示)、開示情報及びマネジメントのための行動に関する記録保持、マネジメント体制(利益相反委員会の権限、責務、メンバー)から構成される。

日本では、国立大学の法人化を契機として利益相反のマネジメント体制が検討され、利益相反に関する大学としての基本的な方針を記載する利益相反ポリシーと具体的なマネジメントの方法を記載する利益相反マネジメント規程に基づいて、現在ではマネジメントが開始されている。マネジメントは開始されたばかりであり、継続的なマネジメント体制や方法の見直し、利益相反のマネジメント重要性に関する教職員に対する啓発活動が必要となる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 大学における利益相反のマネジメント [726 KB]