No.275 :既存住宅の価値向上と流通促進の方策
主任研究員 米山秀隆
2006年10月
要旨
日本の住宅の問題点としては、従来から基本性能が十分ではないため寿命が短く、スクラップ・アンド・ビルドが繰り返されてきたという点が指摘されてきた。しかし、住宅の滅失パターンをみると、70年代以降に建築された住宅については、滅失スピードが徐々に遅くなっており、住宅寿命は最近では伸びる傾向にある
これまでの日本の住宅市場は新築に偏重していたが、今後は、寿命が従来よりも伸びた住宅が既存住宅市場に登場することが予想される。最近では、需要、供給の両面で既存住宅の流動化を促すような新たな動きも現れつつある。
日本の住宅はそもそもの基本性能が十分とはいえないため、既存住宅を流通させる際には、そのままの形で流通させるのではなく、業者がリノベーション後に流通させる仕組みの方が、今後の普及可能性を持っていると考えられる。
既存住宅の流通をさらに増やしていくためには、住宅の履歴情報の蓄積、既存住宅の評価手法の確立、既存住宅取得促進を促す税制の整備、優良な既存住宅流通促進事業に対する財政的な支援が必要である。
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