No.259 : 中国経済の対外依存構造の現状と課題
主席研究員 朱 炎
2006年4月
要旨
- 中国経済の対外依存が拡大していることによって、貿易摩擦と資源の輸入依存などの問題を引き起こし、経済成長を制約する要因になっている。激化する貿易摩擦は、さまざまな分野に及び、中国の生産、輸出に不安定をもたらしている。資源の輸入依存は、調達の困難、価格上昇、コスト増加などの問題を惹き起している。
- 外需依存、大量生産・大量輸出の成長パターン、輸出の低付加価値化、資源の大量消費と大量輸入などの問題は、貿易摩擦と資源の輸入依存を深刻化させている。
- 持続的経済成長を維持し、外需依存、資源の輸入依存などの問題を克服するため、国内経済構造、産業構造を調整する必要がある。まず、経済成長パターンを転換し、内需の拡大が必要となる。また、産業構造の調整として、輸出製品の高度化、エネルギー・資源消費の節約が重要である。さらに、金融政策、産業政策、価格調整など各分野の政策協調が不可欠となる。このほか、貿易摩擦の回避と資源獲得のための対外的なアプローチも積極的に進めなければならない。
- 貿易摩擦と資源の輸入依存により、中国政府はすでに構造転換の重要性を認識し、政策面では内需重視などの成長パターンの転換、産業構造の調整などを第11次5ヵ年計画に反映させている。
中国経済の対外依存、経済摩擦、構造調整などにより、中国に進出する日系企業は、現地生産と輸出、対中投資の業種選択などの影響を受けると同時に、現地市場での販売拡大、省エネと資源節約型の技術移転などのチャンスにも恵まれる。日系企業は中国の経済・産業構造の調整、政策変更に、早急に対応する必要がある。
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