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No.257 : 創発的現象とスマートモブ-中国反日デモの理論的含意-

客員研究員 土屋 大洋

2006年4月

要旨

2005年4月に突如として起こった中国における反日デモは、インターネットや携帯電話を駆使したという点で「スマートモブ(smart mob)」的であり、「創発(emergence)」的な運動でもあった。モブとは、「群集、大衆、暴徒」といった意味だが、情報通信技術というスマートな技術を駆使することによってコミュニケーションが容易かつ迅速になり、そうしたモブが短期間で大きな規模に成長することがある。また、創発とは、局所的なコミュニケーションの連動が、予期しないようなマクロな傾向や秩序を作り出すことであり、今回の反日デモを事前に予測できなかったという点で、創発的な現象だと考えられる。スマートモブ的な現象と創発現象は常に連動しているわけではなく、今回の中国のデモは、それが重なったという点で注目に値する。中国政府は今回のデモを容認したと論じられているが、今回のデモで中国政府が得るものがほとんどないことを考えると、むしろ、中国政府の予想を超えてデモは拡大し、一時的にせよ国民をコントロールできなかったのではないかと考えられる。本稿では創発という視点から中国の反日デモの発生について分析し、そのリスクについて考察する。

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PDF 創発的現象とスマートモブ -中国反日デモの理論的含意- [569 KB]