富士通総研

  1. ホーム >
  2. 調査・研究成果 >
  3. 研究レポート >
  4. 2006年 >
  5. 「東アジア環境エネルギー共同体」構想と日中協力 -ポスト京都議定書基準のアジア共同提案-

No.254 : 「東アジア環境エネルギー共同体」構想と日中協力
-ポスト京都議定書基準のアジア共同提案-

主席研究員 田邉 敏憲

2006年4月

要旨

  1. 中国が高度経済成長を持続するに当っての環境・資源面での制約は大きくなっている。水資源は量・質の両面で危機的な状況で、大気汚染も深刻化している。農業(食糧)インフラも耕作地減少・地下水低下・土壌流出などで黄信号がともる。資源を浪費せず環境を保全する「循環経済」を目指す方向に転換しようとしているが、どれだけ実効性をあげるかが課題である。
    この間、世界経済は21世紀に入り、人口増加とグローバル市場経済化を背景にパラダイムが大きく変化した。国際的な賃金低下圧力の一方、ヒトの生存や経済成長に不可欠な財には需給タイト化で絶えず価格上昇圧力が働く。各国の産業や企業の競争力は、省エネ技術などに依存し、環境を保全することが産業競争力を強化することになった。
  2. 環境問題で日本は中国と利害を共有する。また中国が「循環経済」を実現することは、中国を最大の貿易相手国とする日本の持続可能な経済成長の担保ともなり、日本の「循環型経済システム関連産業(製造業、農水産業、サービス産業)」は中国市場での展開でより高度化する。東アジアエネルギー流通備蓄基地の共同運営をはじめとした環境・エネルギーを軸とする日中協力構想の早期実現が急がれる。
  3. 地球規模の環境問題では、2005年秋のIPCC総会でも、米国および欧州連合(EU)を代表する立場のオランダが、CCSを用いた二酸化炭素濃度の安定化シナリオ(450ppm)を示した。一方、ポスト京都議定書では中国・インドともに参加できるルール・基準づくりが重要となる。アジアの一員である日本は、先進国と発展途上国との2段階に分けたルール・基準をアジア共同提案として示せる立場にあり、今こそ、こうした2段階ルール・基準づくり、あるいはアジアの共同提案を、日本が率先して推進することが時宜にかなう。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 「東アジア環境エネルギー共同体」構想と日中協力 -ポスト京都議定書基準のアジア共同提案- [726 KB]