No.247 : ソフトウェアに起きる究極の価格破壊
— 業務系オープンソース・ソフトウェア普及の可能性 —
主任研究員 前川 徹
2005年12月
要旨
Linuxの普及に伴ってオープンソース・ソフトウェア(OSS)に対する関心が高まっている。OSSの利用は、Linuxのような基本ソフトだけでなく、DBMSなどのミドルウェアやデスクトップ・ソフトから業務系ソフトにまで広がりつつある。たとえば、ニユートーキヨーが自社向けに開発し、1999年11月にOSS化された食材等の受発注システム「セルベッサ」の利用企業は徐々に増加している。
セルベッサを事例に、業務系ソフトのOSS化のメリット、デメリットを分析すると、業務系ソフトの利用企業はOSS化によって、当該ソフトの質の向上、機能強化版の無償入手、サポートベンダーの増加などのメリットを享受できる可能性が大きいことが分かった。今後、利用企業の経営者やCIOが、業務系ソフトのOSS化によるメリットを理解するようになると業務系OSSの種類は急速に増えていく可能性がある。
多様な業務用OSSが普及すれば、同種のソフトウェアを複数の企業がそれぞれ開発するという重複投資がなくなり、日本経済全体として無駄な情報化投資が排除できる。しかし、その一方で、ソフトウェアの新規開発需要は減少する可能性があるため、ソフトベンダーはソフトウェアの新規開発ではなく、情報システムの運用管理、サポート、カスタマイズなどを中心としたビジネスモデルに転換していく必要がある。また、既にハードウェアやネットワークの世界では価格破壊が進行しているが、OSSの普及はソフトウェアの価格がゼロになることを意味し、ソフトウェアの世界に究極的な価格破壊をもたらす。
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PDF ソフトウェアに起きる究極の価格破壊 — 業務系オープンソース・ソフトウェア普及の可能性 — [639 KB]
