No.233 : 日系企業による対中国オフショア開発の実態と成功の条件
上席主任研究員 金 堅敏
2005年7月
要旨
- 日本のソフト業は、

- コスト削減のプレシャー
- 技術進歩やソフト内容の構造的変化
- 顧客企業のグローバル展開
- 海外成長市場開拓
等の理由から1980年代末ごろからオフショア開発や現地拠点設置などの国際展開を見せた。近年、日系企業のオフショア外注の大部分は中国向けとなっている。しかし、日本のソフト産業の対中オフショアビジネスは、まだ小規模に留まっており現地拠点の稼働率も低い。オフショア活用益ではなくオフショア活用損企業さえ出ている。 - 日系企業4社(一次請2社、二次請SE企業1社、三次請ソフトハウス1社)と華人系企業1社、計5社のケーススタディを行った。調査の結果として、日系企業のオフショアビジネスの特徴は、

- 資本関係のある自社拠点を持つ傾向があること
- スキルのある技術者採用よりも新卒を好むこと
- 契約形態は部分請負で事前固定単価となっていること
- 本社にオフショアビジネスに関する制度や基準、マニュアルが整備されていないこと
- 現場SEの意欲でオフショア発注が決められていること
- オフショア開発の運営はブリッジSEモデルで行われていること
である。 - ケーススタディの結果から以下のような示唆が得られる。すなわち、

- オンサイト派遣からTurnkey委託
- ODC、子会社への漸進的なビジネス進行
- 自社資本の子会社よりも資本関係はないが長期安定なODC形態への展開
- ルール化された「カイゼン」などのQCD管理のイノベーション
- チェックポイントや納期、品質の定義及び測定の基準の明確化と拘束
- 基準から乖離するときの±インセンティブ導入
- オフショアに出す基準や体制の確立
- オフショア活用益と新しいビジネス創出とのリンケージ
等である。
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PDF 日系企業による対中国オフショア開発の実態と成功の条件 [1.67 MB]
