No.229 : 成熟経済下の消費主導成長を目指して
主任研究員 長島 直樹
2005年4月
要旨
今日、低成長容認論や低成長不可避論など経済成長に対する懐疑的、否定的な論評が横溢している。しかし、年金など福祉水準の維持にはある程度のプラス成長が必要であるし、労働力減少だけでマイナス成長が常態化するわけでもない。悲観的な見通しが支配することによる「期待悪化→パフォーマンス悪化→期待悪化」という悲観のスパイラルは避けねばならない。また、「経済成長は人間を幸福にしない」とする主張も論拠が弱い。
一方、成熟経済下の成長モデルは「今日の消費を犠牲にして明日の生産を増やす」途上国モデルではなく、「今日の豊かさを実感することがそのまま明日の繁栄をもたらす」成熟経済モデルが望ましい。それは消費主導経済であり、「消費が投資を誘発し、消費者ニーズが技術進歩を促す」経済である。このモデルは、貯蓄が潤沢で経済的余裕を持つ家計が比較的多い成熟国家だからこそ可能という側面もある。
現在、消費が伸び悩んでいる主な理由は、若年層の不安と中高年層の不満である。特に、所得や資産水準の高い中高年層がサービス分野に抱く不満は大きく、健康、医療、レジャーなどの選択肢拡充は確実に消費全体を押し上げる。家計部門の消費余力は大きく、潜在的な消費需要を解放することが社会厚生を高めるとともに成長も促進するのではなかろうか。
全文はPDFファイルをご参照ください。
PDF 成熟経済下の消費主導成長を目指して [323 KB]
