No.222 : プロパテント政策は産業に何をもたらすのか?米国特許制度改革からの示唆
主任研究員 絹川 真哉
2005年3月
要旨
- プロパテント政策は産業に何をもたらすのか?この問いに対する手がかりを、最適特許制度の経済理論と、米国特許制度改革の経験から探る。
- 経済理論は社会的に望ましい特許制度が産業・技術特性によって変わることを示し、1980年代に米国で行われた一連の特許制度改革が、コンピュータや通信機器などの先端技術の技術革新を促すには不十分であった可能性を示唆する。そして、米国特許制度改革の影響に関する実証研究は、理論的予測を一部裏付け、研究開発を促す効果は限定的で、いくつかの先端技術産業ではむしろ研究開発が制約を受けた可能性を示す。
- 日本では、2005年4月より知的財産高等裁判所が設置され、プロパテント政策は新たな段階を迎える。今後、日本産業の競争力向上に資する特許政策を運営していく上で、最適特許制度の経済理論は重要な指針となり得る。しかし、理論はまだ不完全で、実証研究による更なる検証が必要である。
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