No.219 : 郵便事業の競争促進
-郵便ポスト・収集ネットワークの分離開放-
主任研究員 木村 達也
2005年2月
要旨
- 郵政公社の民営化に関する議論が進んでいるが、1つ抜け落ちている論点がある。それは郵便事業の競争促進に関する論点である。郵便市場の8割以上を占める信書便市場では、03年4月の郵政事業の公社化と同時に、民間事業者の参入が認められた。しかし市場の大半を占める一般信書便での参入はなく、郵政公社の独占が続いている。これは参入に多くの条件が課されていること、参入への許認可について総務省の裁量の余地が大きいことが背景にある。
- 一般信書便事業での競争促進は、コスト削減、多様なサービスの提供から国民厚生を増大させる。したがって競争促進が望まれるが、そのためには、まず(1)郵政公社の民営化時にポストおよび地域区分局を分離のうえ国有とし、ポストからの信書等の収集、地域区分局までの取りまとめ輸送と、事業者別の仕分けについては、民間事業者に運用を委託し、この運用は一般競争入札によることが良いとみられる。この分離開放の実行ができる機会は、郵政公社の民営化時点をおいて他にない。
- さらに競争促進のためには、(2)特別な事業のある場合にのみ許可されることとなっている委託、協定・契約について、信書便法を改正し、一定基準を満たすものは自由化し、複数事業者による全国配送ネットワークによる参入を単一事業者と同じ扱いで許可すること、(3)総務省の裁量の余地を縮小するため参入への規制内容を見直し、撤廃、緩和するとともに、見直し後も必要な規制については法律に定めること、(4)信書と代替的な通信手段の発達のもと、ユニバーサルサービスの条件を見直し、事業者のサービス設計の自由を拡大すること——も重要である。
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PDF 郵便事業の競争促進 -郵便ポスト・収集ネットワークの分離開放- [477 KB]
