No.195 : 家計のリスクファクターと消費態度
主任研究員 長島 直樹
2004年3月
要旨
家計が知覚するリスクファクターをダウンサイドリスク、変動リスク、不確実性、及び経済外リスクに4分類し、それぞれが消費態度に及ぼす影響を探った。データは2003年11月時点に実施したアンケート調査に基づいている。結論は以下の通りである。
- 全体的に見ると消費態度に対して大きな影響力を持つのはダウンサイドリスクである。
- ダウンサイドリスクは健康・社会保障関連と賃金・雇用関連の2つに集約できる。前者は年齢が高くなるほど、また所得が低いほど大きい。後者は20代から40代にかけてじわじわと上昇し、50代以降急速に低下する。また、中間所得者層の高さが目立つ。
- 年齢層別に推定すると、若中年層(20~44歳)では、賃金・雇用関連のダウンサイドリスクが大きいと消費態度が弱くなる。その影響は選択的消費で顕著に現れる。中高年層(45~69歳)ではダウンサイドリスクは2つとも消費態度に大きな影響を及ぼしていない。むしろ、不確実性の存在が選択的消費を抑制する影響が強い。年金制度などに対する不確実性を強く知覚する様子が推測される。
- 若年雇用や年金制度の信頼性は、社会の安定性・制度・システムの持続性等、それ自身が連日メディアを賑わす大きな問題である。しかし、消費態度の観点からも重要性が確認されたことになる。
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