No.188 : 為替介入の効果について
-ティックデータを用いた実証分析
研究員 齊藤 有希子/客員研究員 渡辺 努
2004年2月
要旨
- 外為市場への公的介入の効果については意見が対立している。市場の大きさに比べ介入金額が小さいため効果がないという見方がある一方で、将来の金融政策に関するアナウンスメントとして有効との見方もある(「シグナル効果」)。また、介入の 有効性に関するコンセンサスが存在しない中で、介入を政策手段として実際に利用する度合いは国ごとに大きく異なっており、日本は先進国の中で突出して介入頻度が高い。
- 本研究では、財務省が公開している介入実績データ(介入の日付と金額、1991 年5月より2001 年9 月までの174 事例(ドル買い円売り介入))と、「ティックデータ」という取引毎の価格データを用いて、介入の効果について分析を行なった。
- 大規模な介入(1 日に6 千億円以上)については、.介入前の円高トレンド(平均で1 日で約1 円)が止まり、逆に約1 円の円安に反転する、.介入後は為替のボラティリティが高まり、3-4 時間継続することが確認できた。
- 一方、小規模介入(1 日に2 千億円未満)については、介入のない日と比べて有意な差は見出せなかった。ただし、小規模であっても、数日間連続して介入が行われる場合には、為替相場に有意な影響を及ぼすことが確認できた。
- 大規模または継続的な介入が有効というファインディングは、介入の効果が非線形であることを示しており、介入の有効性がシグナル効果を通じたものである可能性を示唆している。
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