No.177 : 構造改革特区が日本の経済・社会を活性化する条件
-社会実験としての構造改革特区
主任研究員 小野 達也
2003年10月
要旨
- 小泉内閣の構造改革の目玉のひとつとなった観がある構造改革特区は、政府の改革プログラムとしてはこれまで例のないスピードで取組みが進み、2003年の4月から8月までの間に合計164件の特区が誕生し、今後も続々と認定される見込みである。構造改革特区は、現状では不十分な点も多いが、本格的な規制改革をもたらす可能性のある制度である。さらにこのユニークな取組みは、将来的には特区推進本部が掲げるとおり「日本を元気にする」可能性を秘めている。
- 個々の特区における規制の緩和・撤廃の効果が明らかになり、また弊害の発生しないことが明らかになれば、その規制改革を全国に展開するというのが構造改革特区の基本的な方針である。したがって構造改革特区が規制改革のプログラムとして成功するためには、特区におけ特例措置の効果及び弊害について、評価を的確に行うことが不可欠である。そのためには各特区における取り組みを社会実験として行うことが必要である。
- 社会実験として特区の科学的評価を行えば、個々の規制改革措置を全国展開に繋げる根拠となるほか、さらなる規制改革の必要性を明らかにし、また分権時代に相応しい自治体間の競争をもたらすことができる。さらに構造改革特区の社会実験としての成功は、規制改革に限らず日本の公的部門の政策形成のあり方に大きな影響を及ぼす可能性も指摘できる。日本はこれまで政府の政策形成において「実験しない国」であったが、厳しい財政事情のもとで国民生活に大きな影響を及ぼすような制度改革を進めていかねばならない時代に、このような社会実験が有効である場面も少なくないと考えられる。
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