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No.176 : 将来不安と消費者行動

主任研究員 長島 直樹

2003年10月

要旨

不安心理と消費に関して両者の関連が繰り返し指摘されるものの、実証研究の蓄積は薄い。「将来不安と消費者行動」(長島、2003)は1,000人の消費者に対するアンケート調査に基づいて、不安の内容を整理し、消費との関連を探ったものである。その結果、「不安と消費の関連が必ずしも直線的なものではない」という結論に達している。本稿では、さらに不安の構造的な理解を試みた上で、いかなる不安がいかなる消費に影響するのか、そしていかなる消費者においてその影響が顕著なのか、分析している。

結論は以下の通りである。

  1. 各種の不安を個別に考えるだけでなく、相互の関連に注目すると系統的な理解が可能になる。5種類の不安の有無に対して、数量化�類を使うと、「第1軸=健康・年金系不安軸」、「第2軸=賃金・雇用系不安軸」の2つの軸(次元)を抽出することができる。第1軸は中高年層で、第2軸は若年層において不安度が高い。
  2. 「不安心理が消費を抑制する」経路は、特に若年層の選択的消費において顕著に観察される。一方、中高年層ではこの関係は検出されない。また、不安の中では第2軸に相当する賃金・雇用系不安が主導的な役割を果たしていることがわかる。
  3. 不安は消費に直接影響する直接効果のほか、消費パラメーターや政策評価に影響を及ぼす間接効果を持つ。例えば、不安が期待インフレに伴う消費前倒し効果を減殺したり、経済政策に対する評価をネガティブにする傾向が見られる。間接効果も若年層において顕著であり、中高年層には見られない。また、間接効果では直接効果とは逆に、健康・年金系不安が主導的な役割を果たすことがわかった。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 将来不安と消費者行動 [619 KB]