No.171 : 新しい統合医療事業体の創造
主席研究員 松山 幸弘
2003年7月
要旨
- わが国で医療改革論争が迷走を続けている原因の1つは、財源確保のための医療保険制度問題と質向上とコスト抑制を追求しなければならない医療提供体制問題を区別せずに議論しているからである。わが国の医療制度の対極にあるアメリカの医療に対しても、拒否反応派が未だ根強い。しかし、マネジドケアの弊害を克服する形で誕生したIHNと呼ばれる統合医療事業体は、新しい地域社会システムとしてわが国でも活用可能な仕組みと思われる。
- 広域医療圏で形成されているIHNには多数の独立開業医が自らの意志で参加している。その求心力となっているのが主要疾病に関する臨床プロトコル作成と多くの医療機関が協力して構築している医療ベンチマーキングである。これが、臨床分野でアメリカがグローバルスタンダードと成り得ている大きな理由である。
- 一方、日本の医療産業の国際競争力は弱体である。巨額の貿易黒字を誇る日本経済にあって医療機器と医薬品の貿易赤字が7千億円を超えている。医療情報のデジタル化で韓国にも追い抜かれた。患者や臨床試験研究資金が欧米のみならずアジア諸国にまで流出し始めている。
- 医療産業の国際競争力向上のため次の4つの提言をしたい。

- 【提言1】広域医療圏で主要疾病の臨床プロトコルを構築
- 【提言2】医療への追加財源確保
- 【提言3】共同事業による効率化
<共同事業の具体例>
- 共通電子カルテによるiDC事業
- 炭素線癌治療センター
- 医療専門人材育成機関
- 【提言4】共同事業を加速する枠組みの構築
全文はPDFファイルをご参照ください。
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