No.165 : インターネットを活用した商品開発の可能性
主任研究員 浜屋 敏/ビジネスデザインコンサルティング事業部 シニアコンサルタント 田中 秀樹
2003年5月
要旨
- B2C分野におけるインターネットの活用といえば、ネット通販、すなわち、ネットを使った消費者への商品の販売が話題になることが多い。しかし、いままでのメディアと違って情報が双方向に流れるインターネットは、販売やプロモーション、顧客からの問い合わせ対応などだけでなく、商品開発に活用することもできるはずである。実際に、ネットを使って消費者のニーズを収集し、ユニークなヒット商品を開発することに成功している企業も増えてきた。
- メーカーやユーザー、流通企業などのプレイヤーの誰が商品開発の起点になるかという問題については、「情報の粘着性仮説」で説明することができる。本稿では、情報の粘着性仮説を応用し、商品開発におけるインターネットのインパクトについて整理した。
- インターネットを活用した商品開発は、中心となるプレイヤーを基準として、1.メーカーによるもの、2.流通企業によるもの、3.消費者自身によるもの、4.第三者的企業が中心となるもの、という4つに分けることができる。本稿では、それぞれについて事例を紹介し、プレイヤーの役割分担やコラボレーションのあり方、製品の種類との関係などについて検討した。
- 商品開発にインターネットを活用することの第一のメリットは、開発にかかわるスピードの向上とコストの削減である。第二のメリットとして、ネットを使えば従来の市場調査手法よりも濃密な消費者とのコミュニケーションが容易に可能になるため、多様化する消費者のニーズをより正確に吸収し、しかも消費者の参加意識を醸成してロイヤリティを高めることもできる。一方、一部の消費者の意見を重視すればするほど、ロイヤリティは高まるものの、一般消費者向けではない商品ができてしまう危険性も高い。本稿では、商品開発におけるインターネット活用の現状に関する調査結果を紹介し、そのようなメリットやデメリットについても整理した。
- インターネットを効果的に活用すれば、企業の競争力の源泉である商品開発力を高めることができるのは間違いない。したがって、企業にとっては、本稿で述べたようなメリットや限界・留意点を理解し、商品開発に積極的にインターネットを利用していくことが競争力向上のための重要な要件になる。
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