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  5. 対中投資は台湾企業に学べ —台湾企業の対中投資の実態と成功要因

No.155 : 対中投資は台湾企業に学べ
—台湾企業の対中投資の実態と成功要因

主任研究員 朱 炎

2003年2月

要旨

  1. 台湾企業の対中投資は90年代以降急増し、中国における台湾企業のプレゼンスは大きくなっている。台湾の対外投資のなかで中国は最大の投資先になっており、中小企業のみならず、大手上場企業も大規模な対中投資を展開している。
  2. 対中投資は、地域的にはおもに華南と華東に集中し、産業別では、製造業が圧倒的に多い。製造業のなかでは、投資分野が労働集約的産業から技術・資本集約的産業に転換され、IT産業は最大のシェアを占めるようになっている。台湾企業の対中投資はすべての産業分野に展開されている。
  3. 台湾企業の対中投資の主な目的は、コスト削減、市場獲得、国内外の顧客企業の投資活動への追随である。中国における台湾企業の経営には、労働力の活用、輸出志向、有利な経営形態、台湾企業同士での部品供給、台湾本社との分業、などの特徴がみられる。最近では、多くの台湾企業は、中国での発展を目指して、ヒト、モノ、カネと技術の面で現地化に努力し、「内資化」の傾向も現われた。このような経営努力のもとで、中国に進出した台湾企業の多くは、大きな利益を上げ、成功を収めている。
  4. 中台間の政治関係や、経済関係に対する双方の政策は、台湾企業の対中投資や、中国での企業経営にさまざまな影響を及ぼしている。中国は、基本的に台湾の対中投資を奨励し、企業の経営環境改善に努める政策を実施しているが、台湾は政治的な原因と産業空洞化への懸念から、企業の対中投資を制限する政策をとっている。2001年以降、こうした規制政策は大幅に緩和されたため、企業の対中投資に一層弾みがついた。急速な中国への産業移転により、台湾の産業空洞化が加速された。台湾政府は、投資環境と企業運営環境の改善によって、競争力の強化を目指し、産業空洞化対策をとっている。
  5. 台湾企業の対中進出によって、対中投資の日台ビジネスアライアンスも新しい段階に入っている。台湾企業が、技術と資金を求めて、中国ビジネスで日本企業と協力関係を結ぶケースが増えている。日本企業も、中国における台湾企業の経営ノウハウ、産業集積を活用し、台湾企業と共同で中国進出戦略をとるようになっている。これにより、日、台、中の間に新しいビジネスモデルが形成されつつある。
  6. 今後、中国経済の高成長や、台湾の経済情勢の変化、中台双方の政策変化などによって、台湾企業の対中投資はさらに拡大し、より高いレベルに発展していくであろう。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 対中投資は台湾企業に学べ —台湾企業の対中投資の実態と成功要因 [493 KB]