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No.150 : 消費における供給要因の重要性

上級研究員 新堂 精士

2003年1月

要旨

デフレ下で経済停滞が続く日本経済にとって「構造的な需給ギャップ」は重要な問題であろう。需給ギャップを構造的ととらえると、需要項目中最大のウェイトを持ち、設備投資に比べ循環的影響を受けにくい消費について考えることが必要となる。消費の伸び悩みや不振の背景には、1.将来不安や先行きの不安定性という期待の低下やリスクの増大、2.資産価格の低迷や実質債務の増大という家計のバランスシートの問題、3.消費者を満足させるような供給の不足という供給の質の問題が存在すると思われる。今回は従来それほど研究されてこなかった3.を中心に検討した。家計調査年報や消費者物価指数年報のデータをもとに、消費支出を最低限人間らしい生活を営むために必要な基礎的消費と、自身の生活をより豊かにするあるいは自身の価値観にとって大切である選択的消費というカテゴリーに分け、分析と観察を行った結果以下のようなことが判った。

  1. 消費支出を考える上で、基礎的消費と、選択的消費とに分けて考えることは重要であり、選択的消費の動向の方が基礎的消費の動向に比べ、消費全体の動向と関係が深い。
  2. 選択的消費が増加した時に、基礎的消費がどの程度代替されるのかを見ると、短期的には代替は生じず、長期的にも代替は完全には行われない(選択的消費が増加するほどには,基礎的消費は減少しない)。
  3. 従って、選択的消費が増加することで消費全体も増加すると考えられる。
  4. 消費者が望む革新的な財やサービスの登場は、その財・サービスの需要を増加させるだけでなく、マクロでみた消費需要全体も増加させると考えられる。

従って、ある企業が、消費者が望む革新的な財やサービスを供給することは、その企業にとってよいだけでなく、マクロ経済全体にもプラスのインパクトを与える可能性がある。

消費者が望む財・サービスをタイミングも含めて供給していくことが企業にとっても、マクロ経済にとっても重要であり、そのためには消費者の潜在的な需要を探ることや、消費者と直接接点を持つ場所における豊富な品揃えと欠品の防止で販売機会のロスを避けることが求められる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 消費における供給要因の重要性 [407 KB]