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No.143 : 日本におけるPFI推進のための政策課題

客員研究員 白川 一郎

2002年10月

要旨

1999年のPFI法の成立を契機として、日本でもこのところ地方自治体を中心にPFI事業が本格化の兆しをみせている。日本の場合、英国と異り国ではなく、地方自治体主導のPFIが増加しているのが大きな特徴である。地方自治体が、PFIに熱心な背景には、[1]全般的に、自治体の財政事情が悪化していること、[2]公共工事予算の減額、[3]公的施設整備の潜在的なニーズの強さ、がある。

こうした背景のもと、地方自治体のPFIへの傾斜は今後も強くなることが予想される。現在、地方自治体がPFI法に則って公表している事業案件は、57件ある。これらの事業案件について、[1]事業主体別の状況、[2]事業内容、[3]事業規模、[4]PFIの類型、[5]VFMの推計、[6]官民のリスク分担、などについて実態調査を行った。

今回の調査結果によれば、現在進展している地方自治体のPFIは、これまでの第三セクタ-方式などと比較して、市場原理の機能を生かした面が出ており、高く評価できるものと考えられる。とりわけ、VFMが高いことが注目される点である。VFMとは、従来の公共事業に比較したコスト削減効果の事である。従来の公共事業と比較して、自治体の財政効率化に大きく寄与することが期待される。ただ、自治体によっては、財政的にすでに相当悪化しているところもあり、こうした自治体においては、後年度負担のさらなる増加が財政面での逼迫に拍車をかけることも懸念される。

VFMが大きく、財政効率化への貢献が期待できることの政策的インプリケ-ションは重要である。これまでの公共投資と異なり、市場原理を生かした公的施設の整備・サ-ビスの提供が可能となることを意味している。今後、より多くの分野で、PFI事業が可能となるよう制度面での改革が急がれる。PFI法は、いわゆる公共投資の主流部門でもPFIの実施を謳っている。しかし、現実には各省が所管する公物管理法が民間事業者のこうした部門への参入を阻んでいる。日本のPFI推進のためには、各省が所管する公物管理法の迅速な改革が望まれる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 日本におけるPFI推進のための政策課題 [306 KB]