No.140 : NPMの導入による地方自治体の改革に向けて
客員研究員 白川 一郎/主席研究員 小野 達也
2002年8月
要旨
- 日本の自治体における財政状況は90年代以降悪化しており、いまや危機に直面している。自治体が抜本的な行財政の改革を迫られるなか、NPM(ニューパブリックマネジメント)の手法が注目を集めており、行政評価や企業会計的手法など、かなりの程度NPM的手法が導入されつつあることが最近の調査で明らかになっている。
- こうしたNPM的手法がどのような効果をもたらしているか、新たに市区を対象に実施されたアンケートをもとに分析すると、日本における自治体のNPM的手法の導入はそれなりの効果を上げていると考えられる。また「何を改革しようとしているのか」という明確な目的意識と政策的コミットメントがその効果に影響を与えていることや、NPM的手法を使いこなすノウハウの欠如といった課題も明らかになった。
- NPM的手法のうちでも比較的導入が進み、NPMの鍵を握るといってもよい行政評価の現状には、[1]行政評価導入のマネジメント確立、[2]行政マネジメント・サイクルの実現、[3]行政評価と市民など自治体の外部との関係構築、[4]職員の意識改革と能力開発、[5]手法、ノウハウ、ツールの開発・獲得・蓄積といった課題がある。
- 行政評価による経営革新を進める先行事例などをみると、行政評価を軸としたNPM的改革においては、[1]行政評価の導入にあたり改革の戦略をもたねばならないこと、[2]行政評価の基本原理は効率の把握にあること、[3]顧客志向の徹底が必要なこと、の重要性が明らかになった。
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