No.128 : 日本国民に残された最適政策ミックス
主席研究員 松山 幸弘
2002年2月
要旨
- 国立社会保障・人口問題研究所は、新将来人口推計を発表するにあたり、前回推計において1.61まで回復するとしていた合計特殊出生率の見通しを1.39に引き下げた。これは、わが国の人口が21世紀中に半減する可能性が高まったことを意味する。従って、目下の緊急課題であるデフレ脱却と同時に、人口減少と高齢化という将来のハンディを克服し、日本の社会・経済が再び活力を取り戻すための政策ミックスを断行しなければならない。
- 人口減少対策として積極的な移民受け入れが提唱されている。しかし、移民受け入れよりも、国籍、年齢、性別を問わず勤労意欲と能力のある者が適材適所で働くことのできる仕組み作り、社会システム全体における自助努力のウエイトを高める仕組み作りの方が遥かに重要である。
- 経済財政諮問会議は、本年1月に「構造改革と経済財政の中期展望」を発表したが、相変わらず課題の列挙に終始し具体的ビルド策の提示ができていない。日本経済を新たな成長軌道に乗せるためには、各地方経済圏で新規雇用創出につながる産業レベルのグランドデザインを創案する必要がある。また、勤労者が自らの職能をバージョンアップし続けることを支援するために、教育投資費用に対する減税措置が求められる。
- 構造改革によりニーズの高い分野に効率的に財源が流れるようにするには、税制改革が重要である。また、高齢者を優遇しすぎている社会保障制度も見直さねばならない。公的年金の給付水準を15%カットすることにより積立金の25兆円返還が可能になり、これを活用すればトータルで増税にならない政策ミックスを構築することが可能である。
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