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No.126 : 「経済構造指標」と経済政策

客員研究員(立命館大学教授)白川 一郎/東京電機大学教授 阿部 一知

2002年1月

要旨

  1. 近年、経済構造の改革が政策の実施面で頻繁に議論されている。しかしながら、日本経済のパフォーマンスについての政策議論は、残念ながらGDP(国内総生産)によって論議されるケースが多いように思われる。現在問題となっている日本経済の構造改革を論議する指標としては、必ずしも適切な指標とは言い難い。日本経済の供給面での構造改革を反映する指標として、本稿では日本経済の供給面での動きを示す指標を選択し、それらの主成分をとって総合的指標とする試みを行った。
  2. 経済構造の変化を反映する指標としては、(1)経済の供給面の改善を反映する指標として、企業の生産性や収益性の向上といった供給面の向上そのものと示す指標(全要素生産性と総資産利益率)、(2)資本の蓄積を反映する指標(民間企業設備投資のGDP比)、(3)企業全体の成長性・収益性の期待や評価を反映する指標(株価の上昇率)、(4)高生産部門への迅速な生産要素の移動を反映する指標(労働移動の指標として「離職率+入職率」、資本の移動として開業率)の合計6個の指標を選択した。
  3. これらの指標群の主成分分析を行った結果によれば、二つの主成分が検出された。第一は総資産利益率・株価上昇率以外の5つの指標が大きな正の係数(主成分負荷量)を示した。これを「供給面全般の改善」を反映する指標と解釈する。第二主成分は、株価や総資産利益率など収益性に大きく反応する指標群であり、これを「収益性の改善」を反映する指標と解釈する。これらの指標の1970年代からの動きをみると、GDPの水準は伸びは鈍っているものの目立ったマイナスにはなっていないが、二つの構造指標ともに1993年以降すべてマイナスとなっており、低下しているという特徴が見られる。つまり、日本経済の構造が悪化しつづけていることを示している。
  4. 本稿においては、主成分分析と離れて日本経済の供給面に影響を与えると考えられる政策変数の動きについても、分析を行った。これによれば、不良債権問題、政府の債務問題については90年代悪化しているが、規制緩和については改善が見られるという結果になっている。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 「経済構造指標」と経済政策 [70.4 KB]