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No.120 : 環境マーケットとプロダクトブランドに関する考察

上級研究員 生田 孝史

2001年11月

要旨

  1. 環境問題の意識の高まりによる自発的な需要に加えて、グリーン購入法などの政策誘導によって、環境配慮型製品市場(環境マーケット)は拡大している。この環境マーケットの拡大に対応して、供給側である企業も積極的に環境配慮型製品を投入している。供給する全ての製品を環境配慮型にするという考え方に移行する企業も出始めており、環境配慮型製品を供給すること自体は差別化にならなくなってきている。企業が環境マーケットにおいて競争優位を確立するためには、製品の環境価値をブランド化することによって、さらなる需要創出を図るという戦略をとることが望まれる。
  2. 東証1部上場の製造業と建設業のうち、30%の企業が環境配慮型製品を投入しており、これは環境情報を発信している企業の61%にあたる。業種別に見ると、パルプ・紙やその他製造で高い製品投入比率を示している。非上場企業にも環境配慮型製品の投入は広がっている。製品の環境価値を適正評価するためには、供給側と需要側との間での環境価値に対する合意形成が必要であるが、現状では、企業が発信している製品の環境情報は必ずしも需要側にとって十分ではなく、特に環境価値の間接的な利用者便益が軽視されがちである。さらに、第三者機関による製品評価も、エコマークとグリーン購入法の間で、対象製品や評価基準に若干の相違が見られるなど、需要側の混乱を招きかねない状況にある。
  3. 製品の環境価値のブランド化は、環境配慮によってコスト高になる製品にとって、特に採用すべき戦略である。上場製造業+建設業の11%、環境配慮型製品投入企業の36%が現在何らかの形で製品の環境ブランド化を図っている。窯業、その他製造、精密機械、繊維などは製品環境ブランド化が比較的容易な業種である。環境ブランド製品を投入している企業は、他の企業と比べて環境への評価スコアが高く、企業ブランドの構築に製品の環境ブランド戦略が寄与していることが示唆された。
  4. 企業は、競争力向上のために、製品の環境特性と需要家ニーズに適合した製品環境ブランド戦略の構築を図るべきである。そのためには、環境配慮型製品の評価・認証機関の信頼性向上を含め、製品の環境価値についての総合評価手法の開発、及び評価情報の提供手法の検討などが望まれる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 環境マーケットとプロダクトブランドに関する考察 [136 KB]