No.118 : 環境マネジメントシステムISO14001導入の効果と課題
主任研究員 武石 礼司 ISO14001 CEAR登録環境審査員補A4823
2001年11月
要旨
ISO14000シリーズ規格の特徴
ISO14000シリーズが定める環境マネジメントシステム(ISO14001規格に基づく)は、認証を取得する組織に「継続的な改善」を要請する仕組み、つまり仕事がシステムとして目に見える形になることを求めており、環境負荷の低減を実現し、それと同時に顧客(自治体であれば国民あるいは地域住民)に対する満足度あるいはサービス提供の拡大を可能とする。
国際規格としてのISO
「標準を制するものが世界を制する」といわれるように、国際規格のISOによる標準化の推進が日本の産業の競争力を決定的に左右するほどの影響力を持っている。「標準学」という学問分野が必要なほど、標準化は重要な問題であり、日本企業は、市場競争におけるデファクト標準をまず制することを目指すべきであり、次いで国際機関で認知されるデジュール標準とするための体制整備が必要で、その目的のための情報伝達手段のいっそうの整備が急務である。
リスクマネジメントの重要性
企業等の各組織によるISO14001の採用を突破口として、英米法のリスク対応の考え方と手法が一気に採用される状況となってきている。品質に関するISO9000および労働安全衛生に関するOHSAS18001と18002は、ISO14001と統合されて運用される前提で導入されている。消費者側の要求に、生産者側として制約を加えることができるように、組織は法務技術を磨く必要があり、欧米流のリスクマネジメントの考え方を採用せざるを得なくなっている。情報機密マネジメント(ISO/IEC13335)、プロジェクトリスク(ISO10006)、さらに財務、労務も含めた国際規格への対応を採ることを企業等の各組織は目指すことが必要である。
ISOへの積極的対応と日本企業の変革
日本企業内でも経営のシステム化が遅れた分野の企業に対する経営建て直しと底入れを、ISO14001およびISO9000等を導入することで図ることができる。さらに、経営パフォーマンスの向上を図り、生産性を引き上げることも可能となる。企業間取引の標準化とシステム化も、ISO対応を各企業が重ねることで可能となる。
ISO規格はトップダウンで方針を設定すると共に、ボトムアップの継続的改善を求めており、日本企業がTQCおよびTQM(総合的品質管理)で培ったノウハウを世界に伝えていく絶好の機会が到来している。環境マネジメントシステム(ISO14001)で最初にISOに採り入れられ、次いで品質(ISO9000)および労働安全衛生(OHSAS18001および18002)で採り入れられた継続的改善のためのPDCAサイクルは、もともと日本のTQM活動を見習ったものである。
ISO導入によりパフォーマンスを向上した日本企業は、世界の市場で通用するマネジメントシステムを構築し運用していることになり、さらに一歩上を行くTQMによるモノ作りで世界標準の確立を目指すことが可能となる。したがって、ISO導入とその活用に日本は積極的に取り組むべきであり、グローバル化への対応とは、国際標準の受け入れと積極的関与を意味している。国際標準化が進み、日本企業のISO導入が進んだ現在、最早後戻りは有り得ない。ISOへの積極的取組みから得られる成果は多大である。
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PDF 環境マネジメントシステムISO14001導入の効果と課題 [514 KB]
