富士通総研

  1. ホーム >
  2. 調査・研究成果 >
  3. 研究レポート >
  4. 2001年 >
  5. アメリカの教育改革から学ぶこと

No.106 : アメリカの教育改革から学ぶこと

主席研究員 松山 幸弘

2001年5月

要旨

  1. 教育改革が内外を問わず重要な政治問題となっている。その理由として次のことが挙げられる。第1に、教育は労働生産性向上を通じた持続的経済成長のインフラである。第2に、長年多額の公的教育費支出を費やしてきたにもかかわらず公立学校の質が低下している。第3に、元々巨大であった教育市場が成長産業に変貌しつつある。
  2. 文部科学省は、教育改革国民会議最終報告の提言を踏まえ、「21世紀教育新生プラン~レインボープラン~7つの重点戦略」を発表した。しかし、取り組むべき課題を網羅しているものの各施策自体の目標達成基準が明らかでなく、学校・大学・教師の評価や評価情報公開の仕組みの検討が不十分である。また、機会平等ではなく結果平等を重視しすぎたため生徒一人ひとりのニーズに応える仕組みを欠いていること、文部科学省に権限、財源を集中しすぎて現場からのイノベーションが出てこない構造になっていることも問題である。
  3. アメリカの場合、連邦政府の役割は教育機会均等実現のインフラ作りであり、学校教育の運営責任と結果責任は州政府と学区にある。このため、教育改革に資するイノベーションは州政府や教育現場から生み出されており、最近ではとくにインターネットを活用するWeb基盤教育分野での新しい試みが注目に値する。ブッシュ新大統領の教育改革の基本方針も「連邦政府は補助金を出すが運営は州政府や学区に任せる。そのかわり州政府と学区には責任を問う。学校間の競争を促し教育の質を高めるために親に評価情報を提供する。」というものである。
  4. 教育改革に関する日本の現状評価とアメリカとの比較から次の3つの政策提言を行うこととしたい。
    1. 評価情報を共有する仕組みを構築する。
    2. Web基盤教育の体制整備を急ぐ。
    3. 現役勤労者の教育投資に対し税制優遇措置を与える。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF アメリカの教育改革から学ぶこと [68.3 KB]