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No.103 : ナスダック、ノイアーマルクトと日本、アジアのベンチャー市場

主任研究員 梶山 恵司

2001年5月

要旨

  1. 99年以降、日本には3つの新興企業向け市場が相次いで誕生し、競争している。しかし、いずれの市場も流動性が低く、問題山積である。他方、ドイツでは97年に開設された新興企業向けの市場であるノイアーマルクトの上場企業数は300社を超え、流動性も高く、米ナスダックに次ぐ市場に成長している。
  2. 日本では「ベンチャー市場=敷居の低い市場」の発想で、いずれの市場運営者も、公開を目指す企業の獲得競争に走っている。この結果、投資家の利益はまったく省みられない。実際、いずれの市場でも、企業にリスク開示を促す工夫はみられず、上場審査も実質的には放棄するに等しい状況である。このため、市場の質は相当にプア-といわざるをえない。
  3. これに対し、米独市場は基準を下げることによって高まるリスクを、投資家が判断しやすくすることに重点を置いた市場作りをしている。ベンチャー市場が、「ハイリスク・ハイリターン」を最大の特徴とする市場である以上、これは当然である。
  4. 加えて、ドイツでは株式文化が未発達だったことに配慮し、引き受け証券会社に上場後も企業のIRのサポートを義務付けるなど、市場の質を高めるための様々な工夫がなされている。上場してしまえば、証券会社の義務がすべて解放される日本とは対照的である。
  5. 株式市場が未発達だったドイツの例を参考にすれば、わが国でも改革は十分に可能である。
  6. アジアでベンチャー市場として可能性があるのは、日本以外には、韓国と中国である。うち、韓国にはKOSDAQとよばれる市場が既に存在しているが、そのコンセプトは日本と似ており、きわめて問題の多い市場となっている。他方、中国は「創業板」とよばれる市場を近々立ち上げる予定で、「質の高い市場」となることを目指してる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF ナスダック、ノイアーマルクトと日本、アジアのベンチャー市場 [88.9 KB]