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No.100 : 循環型社会構築と環境価値の共有

上級研究員 生田 孝史

2001年1月

要旨

  1. 環境問題の中でも廃棄物・リサイクル問題は、最終処分場不足の深刻化のために、環境面に加えて経済活動への悪影響が懸念されており、環境価値に対するコンセンサスの形成が急がれる分野である。昨今、リサイクル関連法の相次ぐ施行によって、急速にリサイクル行動に関する環境価値が創造されつつあるが、社会全体でのコンセンサスに基づく環境価値の共有には至っていないのが現状である。
  2. 企業のリサイクル費用について分析した結果、平均で環境対策費用の3割弱がリサイクル関連分野に使用されていた。業種特性では、小売業や建設業でリサイクル費用の比率が高いのに対して、商社や電力・ガスではその比率が低い傾向があった。また、売上高に占めるリサイクル費用の比率は平均0.39%であったが、紙パルプでは2~3%という高い値を示していた。リサイクル活動の費用対効果について見ると、平均で費用の6割弱しか直接的な効果が得られていない結果になったが、効果面の公表企業が少ないほか、効果の把握自体が不十分なケースもあり、詳細分析のためにはさらなるデータ蓄積が望まれる。
  3. 現在進行中の廃棄物・リサイクル分野の規制強化は、企業にとってさらなる費用増加の要因となる。規制強化に伴う費用対効果の悪化に対応するためには、リサイクル費用の削減を図るとともに、これまで十分に認識されてこなかった間接的な効果を環境価値として認識することによって効果面を底上げすることが必要である。環境価値には、社内への間接効果として企業内部で認識・処理される内部環境価値と、環境保全や経済成長制約の緩和など社会全体で対価を支払うべき外部環境価値が考えられる。
  4. 企業のリサイクル活動に伴う外部環境価値の対価支払い手段としては、企業に対する公的助成、製品価格への転嫁、企業による負担が考えられる。環境価値の適正評価によるインセンティブ供与手法の一つとして、外部環境価値をポイント化し、製品に付与して流通させるリサイクルポイントシステムが考えられるが、ポイントの評価規準、運営主体、システム参加者、ポイント交換性、関連法体系等との整合性、システム導入効果の評価、などについての詳細な検討が必要である。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 循環型社会構築と環境価値の共有 [541 KB]