No.51 : ネットワーク時代の流通業
FRI経済研究所/日本経済研究センター共同研究
1999年5月
要旨
- 戦後初の長期景気低迷の中で、企業制度、年金・社会保障システム、雇用システムなどの構造的改革が進みつつあるが、流通業界でも日本的取引慣行を改革する動きが始まりつつある。
- 取引慣行改革のきっかけは、"価格破壊"といわれるほど低価格を武器に参入した流通新業態の出現と、トイザラス、オフィス・マックスなど米国小売業の日本での店舗展開である。革新的な流通新業態は新たな流通ルートを構築、一方、米国企業は、問屋を使わないメーカーからの直接仕入れを実行した。日本の玩具、文具業界は、米国式取引方式をあっさりと受け入れた。
- 米国に劣らない効率的流通システムを形成しつつある日本の流通業も少なくない。一部のチェーン店とディスカウンターである。例外なく情報機器を活用して価格競争力を強化している。
- 1997年以降、インターネット上の電子商取引(EC)が急速に拡大し始めている。すでに電子モール(商店街)を採算のとれる事業に育てあげた企業も現れてきた。今後5年間で50倍、3兆円規模に急成長するとの予測もあり、日本の流通システムに大きな影響を与えつつある。
- 5.情報機器を活用した流通システムQCR、SCMを研究する流通業が増えているが、これらのシステムを採用するには日本的取引慣行が妨げる面があることが明らかになりつつある。
(*)富士通総研経済研究所公的セクター研究会委員
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