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No.40 : コンテンツ産業の地域依存性-マルチメディアガルチ-

研究員 湯川 抗

1998年12月

要旨

  1. 我が国において、 新たなリーディングインダストリーとしての コンテンツ産業が注目されつつある。 米国各地においては近年コンテンツ産業の集積地域が 主に大都市中心部において起こり新たな企業が次々と生まれている。 このようなコンテンツ産業の創出・ 発展はどのような環境から生まれたのだろうか。 本稿ではサンフランシスコのマルチメディアガルチと呼ばれる コンテンツ産業の集積地域において実態調査を行ない、 (1)コンテンツ産業の集積と発展にはどのような関連性があるのか。 (2)なぜ特定の地域に集積したのか。 (3)政策の果たした役割はなにか。を明らかにした。
  2. コンテンツの制作には様々な才能を結集して短期間で 仕事を進めねばならないという本質があり、 そのため新しくて小さな企業や専門家が互いに協力し、 足りない才能や技術を補いあって仕事を進めるようになった。 それにはフレキシブルな組織や フェース・トゥ・フェースのコミュニケーションやコラボレーションが 必要である。 このため企業や専門家同士のアクテビティが近接しているような立地条件が 重要だったといえる。
  3. コンテンツ産業がなぜサンフランシスコに集積したかに関しては、 (1)ソーシャルアメニティの高さ、 (2)安価なスペース、 (3)アーティストの集積、 (4)関連する教育機関 といったサンフランシスコが本来的にもっていた機能によるところが 大きいと思われる。
  4. マルチメディアガルチの誕生に対して市は 何の政策的な役割も果たしていない。 これはサンフランシスコはコンテンツ産業が立地するのに 非常に適した都市であったためだが、 その後様々な政策を行なってコンテンツ企業をサンフランシスコに 押しとどめ、かつ拡大させようとしており、 このような施策には継続的ウォッチが必要である。
  5. 今後我が国でコンテンツ産業を振興していくにあたっては、 様々な才能が濃密に接触する場を形成することが重要だと思われるが、 そうした集積地域を意図的に作るのであれば、 現在のポテンシャルの高い地域を集中的に支援していくことが有効であろう。 そのためには他の集積地域における政策研究、 及び我が国コンテンツ産業の実態に関するより詳細な現状分析が必要である。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF コンテンツ産業の地域依存性-マルチメディアガルチ- [246 KB]