No.30 : 注目を集める日本のコージェネ事業の経済性と将来展望
主任研究員 武石 礼司
1998年4月
要旨
- 熱と電気を同時に供給するコージェネレーション(Cogeneration)システムは、 熱力学的に考えて理想的なエネルギー利用を行えるシステムで、 CO2排出量は最大では半減することができ、 日本における地球温暖化対策の一つのキーとなるシステムとして 大きな期待を集めている。
- 近年、機器の高効率化と小型化が進んだことでコージェネの経済性が いっそう高まっており、 ガスコージェネおよび石油コージェネ導入のどちらにおいても、 3~5年程度での資金回収が可能なため、導入件数は急上昇している。 今後は、都市における大規模(再)開発、あるいは、 まとまった熱需要がある場所には、 次々とコージェネが導入されると予測される。
- より多くのコージェネが導入されるためには、 いっそうの規制緩和が必要である。 特に、電力部門で余剰電力購入価格が引き上げられ、 さらに、電力の小売り自由化が行われると、 コージェネのより急速な導入が進む。
- 環境面では、NOxの排出量がコージェネ導入により増大する可能性がある。 石油を10とすると、ガスにおいても4の排出量が出る。 それでも、NOxの発生量は、大型複合施設への石油コージェネ導入 (1,000kWの発電機2台)で3トン/年程度であり、NOx排出量の総量規制、 および運輸部門で多大に排出される量との比較の中で、 コージェネ導入促進の社会的なメリットを考えていく必要がある。
- 今後、コージェネ導入の促進につれて、 各個別のコージェネシステムを連携させるネットワーク型の 運転を行っていく必要性が高まる。 また、燃料供給のロジスティックスの整備、 運転監視用の省力化システムの設置、 さらに、地震・火災・風水害等の災害発生時における即応システムの整備と 地域の防災体制との連携がコージェネ導入にあたっての重要な課題となる。 急速なコージェネ市場の拡大が予測されるだけに、 特にシステム面を中心とした対応を急ぐ必要が生じている。
