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富士通総研

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No.20 : 情報ネットワークと産業競争力

主任研究員 米山 秀隆

1997年11月

要旨

  1. 近年の企業経営の分野における新しい潮流は、 コアコンピタンスへの特化とアウソーシングの活用に代表される。 こうした潮流は、80年代後半以降、 アメリカで経営システムの革新(リエンジニアリング) が進められる過程で広がってきたものである。 その特徴は、情報ネットワークを通じた情報共有、外部との連携である。
  2. 情報共有、外部との連携は、元来日本型システムの特徴とされてきたことで あるが、近年のアメリカ型システムの特徴は、 情報ネットワークをツールとして、それを実現しようとしている点にある。 日本型システムとアメリカ型システムの違いは、情報共有、 外部連携が系列などの狭い範囲に限定されているか否かという点にある。
  3. 日本型システムは、環境変化が連続的な場合に優位性を持つのに対して、 アメリカ型システムは、環境変化が不連続かつ大規模な場合に優位性を持つ。 例えば、近年の情報産業においては、環境変化や技術革新のスピードが速く、 自社内の経営資源だけで対応困難である。このため情報共有の範囲を広げ、 外部との様々な連携の可能性を広げておくことが重要となっており、 アメリカ型が優位性を発揮している。
  4. これに対し日本企業は、これまで、部門間、系列企業との間で情報を共有し、 様々な工程改善や製品機能の改善を積み重ねることによって、 環境変化に柔軟に対応してきた。こうしたシステムは、 不連続な変化には対応しにくいが、 日本産業の優位性の源泉となっているハイレベルの製造技術を 生み出してきた。このような分野においては、 依然として日本型システムが優位性を保ちうる可能性がある。
  5. しかし、そのためにはやはり情報ネットワークの活用が重要になる。 生産の海外移転が進展する中では、情報ネットワークを使わなければ、 従来のように密接な情報共有を行うことが困難と考えられるからである。 また一方で、情報産業など先端分野においてアメリカに追いつくためには、 その経営スタイルに学ぶ必要がある。