富士通総研

HOUSEHOLD SERIES No.1

要旨

マクロ統計からみた最近の消費動向

主任研究員 長島 直樹

マクロ統計から確認できることは、[1]消費は少なくとも足もとで弱い動きを示している、[2]消費性向の上昇は消費増加ではなく所得低下によってもたらされている、[3]過去の動きや国際比較でみると、中長期的に消費の拡大余地は大きい——という3点である。

消費者行動における所得見通し期間(タイム・スパン)の重要性

上級研究員 新堂 精士

消費者の意思決定の前提となっている所得について、消費者は必ずしも十分先まで見通しているわけではない。所得をどの程度先まで見通しているか(タイム・スパン)の違いが消費増減や政策評価、経済状況変化への対応の違いにつながっている。タイム・スパンは消費者行動を考える上での重要なファイクターである。

消費者予測の構造

研究員 大隈 慎吾

「消費者マインドの冷え込み」が不況の原因と言われ続けている。しかし、我々は「消費者マインド」について、決して多くを知っているとは言えない。本稿の目的は「消費者マインド」の一側面である「予測」について明らかにする事にある。ただし、「予測」を直接観測するのは不可能である事から、代理変数として内閣府『消費動向調査』を採用した。具体的には、「暮らし向き」「収入の増え方」「物価の上がり方」「雇用環境」の4項目に関する消費者予測の時間的な前後関係を、VARモデル推計とグランジャー因果性テストという統計手法から明らかにした。その結果、「暮らし向き」と「物価の上がり方」が他の予測に先んじて決まる事(先行性)がわかった。

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