富士通総研

~インターネットで探せる財務データ(海外編)~

日本に上陸したインターネットは1995年頃を境に爆発的に広まり、それによりそれまで手間隙を要した海外情報も瞬時で手に入るようになった。ではインターネットが普及する前の海外情報はどのようにして入手していたか?そのころから、取り敢えず方法は二つあった。一つは日本に代理店を持っている海外ディストリビュータと契約をし専用線で情報検索をする。もう一つが、ゲートウェイという方式で海外へ窓口を持っている日本の商用DBから、その名の通りゲートをくぐって海外の商用DBに抜けていって情報検索をするというものだ。専用線の方はまだしも、ゲートウェイでつないだ海外のDBは時間制料金を取っていたため、要領得ないでウロウロしているだけで料金が発生した。結局ロクな情報も探せずくたびれもうけでお金だけがかかってしまったということがしばしばあった。それを考えればインターネットでの情報収集は天国である。

ここ数年の間にインターネット上の情報は格段にブラッシュアップされ、商用DB顔負けの情報収集サイトが数多く存在するようになった。それでも無料で企業の財務データをまとめて見ることができるサイトは多くない。なぜなら、財務データは日本でも海外でも高価なものと相場が決まっていてディストリビュータにとっては大きな収入源となるからだ。たとえば商用DBを使って財務データを入手したとすると、日本の場合は1社あたり大体は5000円くらい、海外の場合1社あたり80ドル~100ドルくらいという金額になる。ホームページで財務データを公開しているところもあるが、敢えて公表していないところも多い。取り敢えず財務データを調べたいという場合これらの金額はちょっと気が引けてしまう。そこで気軽に財務情報を入手できるサイトをご紹介したい。

情報は米国に限られてしまうが、米国にはSEC(証券取引委員会:U.S. Security and Exchange Commission)が開放しているEDGAR(Electric Data Gathering, Analysis and Retrieval)というデータベースがある。SECでは1995年の文書削減法の改定を受け1996年より米国内の上場企業(外国企業や店頭公開、一部の未公開企業も含む)に対し財務データを電子的に登録することを義務付けた。そして同時にこの情報はインターネット上で公開され世界中からこの財務データにアクセスできるようになった。ここで見ることのできる主なデータは、10-K(財務報告書)、10-Q(四半期報告書)、8-K(臨時報告書-重大な事情が生じた場合に提出される)、20-F(外国企業の年次報告)、S-1、S-2、S-3(登録届出書)などである。年次報告書には財務データだけでなく、企業概要やトピックなどについても記載されている。上場企業に限られているもののこれらのデータに誰でも簡単にアクセスできて、全て無料で閲覧できるというのは嬉しい限りである。また、データのダウンロードも可能である。

EDGARの財務データは日本でいう有価証券報告書と同じなので、データは詳細でボリュームもあり全部に目を通すのには時間がかかる。そこでそこまで詳細でなくてもここ数年の売上や営業利益、経常利益など主だったデータだけで充分という場合に有効なサイトがある。もう、既に日本版でお馴染みかもしれないがYAHOO!FINANCE米国版をご紹介したい。もともとこのサイトは株式投資のために情報が提供されているため、米国市場の市況などが刻々配信されてくる。情報提供の中身は米国も日本もほぼ共通で、チャート、財務データ(直近2年)、過去の株価、ニュース、企業情報、関連レポート、SEC情報へのリンクなどである。こちらもEDGAR同様上場企業(外国企業や店頭公開、一部の未公開企業も含む)が対象なので企業が限定されるが、財務情報や企業情報、ニュースなどを費用をかけずに手早く収集することができいざというときに頼りになるサイトである。YAHOO!FINANCEでは、南米、北米、欧州、アジアなど23地域におけるファイナンス情報が提供されている。

そのほかにもHOOVER'Sという長い歴史と豊富な情報を売りに企業情報を提供しているサイトがあるが、こちらは無料でみることができる情報が限定されているので今回は割愛する。次回は、日本編ということで、EDGARにならったEDINETなど日本企業の財務データが入手できるサイトをご紹介したい。

SEC EDGAR DATABASE : http://www.sec.gov/
YAHOO!FINANCE(US) : http://quote.yahoo.com/?u