~企業名検索~
あいまいな企業名
コンサルタントが特定企業への提案を考えた時、一番最初にすべき情報収集は相手先企業の概要調査である。企業概要を調べるにあたっては当然のことながら企業名が必要になってくる。コンサルタントが各種情報収集にインターネットを使うのは今や常識であるが、いかなインターネットでもキーワードがお門違いの場合には望みの情報を探してきてくれない。"社名または企業名"、一見はっきりしていて間違いの少ない固有名詞に見えるが実は読みが違っていたり、略称・通称だったりとあやふやで不正確なことが結構多いのである。特に人づてに聞いたというのは一番怪しい。
人から聞いた話
つい最近我が社の中堅コンサルタント一人から、絶対あるはずの会社が探せないがどうすればよいかという相談を受けた。彼は自ら情報収集をするコンサルタントなので情報収集のツボはよく心得ている。ただ、人づての情報について最初に真偽のほどを疑うという習慣が無かった。一方長らくサーチャー業に身を置いている当方は悲しいことに最初に情報の真偽について疑う習慣がついている。自らで調べたものでなく、誰かからか聞いたと聞いた途端"それって間違いない?"と反射的に考えてしまうのだった。
彼がその会社について把握していた断片的な情報は次のようなものであった。"(1)金融関係のソフトを製作・販売している会社である。(2)最近東京都心部にオフィスを構えたらしい。(3)本社は米国で、この業界ではそれなりに知名度がある。(4)日本のオフィスの名前は本社の名前と同じ。"というものであった。もちろん米国本社の実名も知っていた。日本に進出したという事実は担当営業から聞いており間違いないという。そこでどういう調べ方をしたのかを聞いてみた。まず持ちネタのキーワードを組み合わせてのインターネット検索、それから米国本社のサイトでリリースなどを中心にあちらこちらを探したが該当する情報は見当たらないということだった。
真実はどれだ
それではと、まず当方で商用DBを使い検索をしてみた。やはり出てこない。結局情報ソースが違う3つの商用DBで検索してみたが、該当米国企業の日本進出の記事は出てこなかった。出てこない理由はいくつか考えられた。まず、その企業がその筋で有名であっても日本の新聞・雑誌で話題になるほどの情報を提供していない。もしくは、日本に進出したという企業名が全く違うものである等である。内容は一致しなかったが米国本社の名前だけは商用DBで検索されているのでおそらく今回は後者と考えられた。
では、名前も知らない企業をどうやって探すかということになる。ここまで来ると後はインターネット上を勘で進むしかなかった。断片情報の中で絶対に間違いのないと思われる情報だけを組み合わせて探した。使った情報は英語表記・日本語表記された米国の本社名と金融ソフトの二つだけ。日本に進出しているという情報はあてにならないと判断した。インターネットで検索された結果を端から端まで目を通し、そして見つけたのが該当の米国本社と業務提携を結んだという全く似てても似付かない名前の小さいなソフト会社だった。そこには日本でのソフト販売と顧客サポートをするために業務提携を結んだと書かれていて所在地も人づて情報と一致していた。今一つ確証を持つことはできなかったがその結果を悩めるコンサルタントへ知らせた。そして後日、尋ね至ったとの連絡があった。鳥ではないが最初に刷り込まれた情報はインパクトが強くなかなか排除することができない。性格に悪影響が出そうだがまずは疑うこと、これが解決の糸口の見えない情報収集には有効かもしれないと実感した。
