貨物ゲートウェイ空港の国内立地のための方策
-アジアの活力を取り込んだ経済成長向上に向けて-
主任研究員 木村 達也
2009年4月
目次
1. 貨物分野におけるゲートウェイ空港構築の必要性
1.1. 人口減少下の成長に必要なアジアの活力の呼び込み
1.2. 注目すべき国際航空貨物分野
2. わが国の国際航空貨物輸送の競争力
2.1. 空港の競争力
2.2. 航空会社の競争力
3. 大韓民国、大韓航空の戦略
3.1. 大韓民国の戦略
3.2. 大韓航空の戦略
4. 貨物ゲートウェイ空港成立のための条件と障害
4.1. わが国の港湾における経験からの示唆
4.2. 貨物ゲートウェイ空港をめぐる環境と成立条件
5. 貨物ゲートウェイ空港の成立条件に対するわが国の空港の状況
5.1. 国際航空輸送網または国内航空輸送網の拠点となる空港に関する検討
5.2. その他の空港に関する検討
6. 関西国際空港の貨物ゲートウェイ空港化の可能性と障害
6.1. 大きい関西国際空港への貨物便就航の余地
6.2. 関西国際空港が目指すべき貨物ゲートウェイ空港像
6.3. 関西国際空港が競争力を持つ路線
6.4. ゲートウェイ化の障害
7. 経済成長向上に向けた貨物ゲートウェイ空港の国内立地のための提言
要旨
労働力人口減少下でのわが国の今後の経済成長には、アジアの活力をわが国に呼び込む必要性が高く、この面で国際航空貨物分野が注目される。日本国内での貨物ゲートウェイ空港の立地は、(1)ロジスティクスの大規模なハブ化による日本国内における生産・雇用の創出、(2)物流コストの低下、(3)国内産業の空洞化の回避-のメリットがある。
近年国際航空貨物分野では、わが国の空港、航空会社がともに国際競争力を落としている。その一方で大韓民国、大韓航空の競争力の向上が目立っており、これらの戦略には、わが国国内に貨物ゲートウェイ空港を立地させるために学ぶべき点が多い。
90年代にゲートウェイ機能を失ったわが国の港湾の経験から、ゲートウェイ空港も一度近隣の海外に確立されると、わが国への奪還は難しいとみられる。またゲートウェイ空港は、アジア域内だけでなく、アジア-北米、アジア-欧州を対象にする必要がある。
貨物ゲートウェイ空港に必要な条件は、(1)完全24時間稼動、(2)3,500m以上の複数滑走路を持つこと、(3)国際線、国内線双方の発着が十分可能なこと、(4)空港内に荷役用の十分なスペースと施設を備えること、(5)貨物専用便のために十分な発着枠を保有すること、(6)以上((1)~(5))の条件を現状で満たしているか早急に満たすことが可能なこと-であり、わが国でこれらを満たす空港は関西国際空港、唯一つである。
わが国に貨物ゲートウェイ空港を立地させ、経済成長の向上につなげるためには、(1)関西国際空港への貨物ゲートウェイ空港化施策の集中、(2)関西国際空港株式会社の過重な債務の国費による解消、(3)全面的なオープンスカイ化を推進すること、(4)税制優遇措置と特区の設置---が必要である。
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-アジアの活力を取り込んだ経済成長向上に向けて- [633 KB]
