グローバル市場における日本企業のCSRサプライチェーン
主任研究員 生田 孝史
2008年10月
目次
1. はじめに
2. CSRを巡る国際的な構図
2.1. 従来の構図
2.2. アジアにおける潮流の変化
2.3. 国際的な構図の変化
3. 日本企業の取り組みの進展
3.1. 国内主要企業の取り組み調査
3.2. 日本企業の取り組みの傾向
4. サプライチェーンのCSR戦略構築
4.1. 日本企業のSWOT
4.2. 戦略的検討のポイント
要旨
- 国際的なCSR推進の動きは、欧米主導で展開され、途上国においては欧米多国籍企業がサプライチェーンのリスクマネジメントの観点から積極関与してきた。しかし、最近では中国や東南アジアにおいて、自国企業の育成、独自基準の策定、国内貧困対策への大企業の活用などの思惑から、現地主体の政策主導型のCSR普及の動きが現れ、国際的な構図が急速に変化している。
- 日本企業のサプライチェーンのCSRの取り組みについて、2006年調査と今回(2008年)調査を比較すると、主要企業の対応率は33%から64%に上昇していた。電機業界や化学・医薬業界に続いて、食料品、輸送用機器、その他製造(加工組立)業、電気・ガス業界の対応も進展し、概ね全業種において取り組みが浸透していた。業種による対応の違いは、最終消費者との距離、環境・安全面でのリスク、取引先との関係に起因すると考えられる。また、国内の取引先対応から実施する傾向があり、リスクが高い海外対応に時間を要している。
- サプライチェーンのCSRにおける日本企業の強みは長期継続的かつ親密な取引関係とグリーン調達で培った品質管理ノウハウである。一方、欧米先行企業に対する取り組みの出遅れや、多様なステイクホルダーとのコミュニケーション能力が弱みである。日本企業がグローバル市場における企業競争力を高めるためには、CSRの国際的な議論の潮流や先行取り組みを勘案しながら、サプライチェーンのリスクアセスメントの実施、継続的な改善を担保するマネジメントシステムの構築、コミュニケーション能力の強化を考慮したサプライチェーンのCSR戦略の構築を検討すべきである。
全文はPDFファイルをご参照ください。
PDF グローバル市場における日本企業のCSRサプライチェーン
[626KB]
