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中国における日系企業経営の問題点と改善策

主席研究員 朱 炎

2007年7月

目次

1.  はじめに

2.  中国における日系企業の現状

3.  人の現地化の進展と問題点

3.1.  人材の現地化が遅れている

3.2.  現地化の遅れの弊害

3.3.  現地化がなぜ進まないのか

3.4.  人材現地化の進め方

4.  人事・労働管理の問題点

4.1.  日本人派遣者

4.2.  ローカル幹部

4.3. 労務管理

5.  日系企業のコストがなぜ高いか

6.  日本的企業組織の影響

6.1. 中国子会社と本社の関係

6.2. 本社から中国子会社への補填

6.3. 中国における統括会社の機能不全

7.  中国における日本企業のイメージ

7.1. 日本企業のプレゼンスの低下

7.2. 中国社会における認知度も高くない

7.3. 社会貢献と宣伝の不足

7.4. 突発事件・不祥事への対応の不手際

8.  市場戦略の影響

8.1. 市場戦略の問題点

8.2. 携帯電話の失敗と撤退の教訓

9.  まとめ:日系企業の経営改善策響

9.1. 問題点のまとめ

9.2. 改善へのアプローチ

要旨

1. 中国経済の高成長に伴って、日本企業は中国に積極的に進出し、事業を拡大している。しかし実際、中国における日系企業はさまざまな経営問題を抱えている。こうした問題は日本の企業制度や日本的経営にも関連する。

2. 人事・労務管理については、日本の制度をそのまま導入する場合、中国の事情に合わず、従業員へのインセンティブが欠如している。人の現地化の遅れは、経営コスト、調達、販売などさまざまな面に影を落としている。

3. 日系企業のコストが高いことも中国での事業展開の障害である。大量の派遣駐在員の人件費負担が大きく、日系企業同士の取引が多いため調達コストが高く、品質への過度のこだわりなどが、コストを押し上げた。これも日本的経営と関連する。

4. 企業組織面では、日本企業は在中国子会社への権限移行が不十分、独自の裁量権限が小さく、中国事業を戦略的に展開することが難しい。中国での収益が低いため、本社の補填で黒字を維持する企業が多い。また、在中国統括企業も十分に機能していない。

5. 中国における日系企業のプレゼンスの低下や、社会貢献とその宣伝の不十分、突発事件や不祥事への対応が遅れるなどによって、中国社会における日系企業のイメージが低下し、日系企業の事業展開にマイナス影響を及ぼしている。

6. 市場戦略に関しては、中国市場への投入が不十分ことや、組織体制の弱さが問題である。市場の変化に対応して戦略調整や事業の再編が遅い。

7. 日系企業は、こうした問題点を解決し、経営を改善するため、中国事業の経営戦略の調整、現地法人の自主性と自立性を促し、人の現地化を推進することが必要である。また、日本的経営と中国での相性を認識する必要もある。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 中国における日系企業経営の問題点と改善策 [460KB]