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住宅セーフティネットの再構築

主任研究員 米山 秀隆

2007年7月

目次

1.  問題の所在

2.  公営住宅が抱える問題

2.1.  公営住宅の家賃と応募倍率

2.2.  公営住宅のその他の問題

2.3.  公営住宅についてなお残る問題

3.  住宅セーフティネットの果たす役割

3.1.  他の公的賃貸住宅の現状と課題

3.2.  住宅セーフティネットの類型と今後の選択

3.3.  住宅バウチャー:アメリカの事例

4. 住宅セーフティネット再構築の方向性

4.1.  第一段階:公的賃貸住宅の一本化

4.2.  第二段階:バウチャー制度への移行

要旨

現在の住宅セーフティネットの主な仕組みとしては、公営住宅、都市再生機構賃貸住宅、特定優良賃貸住宅、高齢者向け優良賃貸住宅の四つがある。施策対象者別に住宅を供給する仕組みになっているが、入居について不公平感が強い上、一部では空室も目立つなどの非効率さが目立っている。また、今後老朽化が進展していく中で、住宅セーフティネットをどのように再構築していくかが問われている。

今後については、各種公的賃貸住宅の制度を一本化し、施策対象者も共通化すべきである。具体的には、収入分位50%以下の人が一本化された公的賃貸住宅の入居資格を持つものとし、うち収入分位25%以下の低所得者及び収入分位40%以下の子育て層・高齢者が家賃の優遇を受けられるものとする。家賃は所得に応じて上昇し、家賃優遇を受けられる上限所得で市場家賃になるように設定する。こうすることによって、ストックを有効に活用できるとともに、現状よりは入居に関する公平性を確保することが可能になる。

また、ストックの更新については、PFIなど民間資金を活用して行えるもの以外は原則として行わないこととする。同時に、一定の条件を満たす民間賃貸住宅を公的賃貸住宅としても利用できるようにし、そうした条件を満たす民間賃貸住宅を増やすため、支援を行うべきである(例えば、証券化によって建設する場合には、都市再生機構等が証券の一部を購入)。こうして民間賃貸住宅市場の整備を進めていけば、将来的には住宅セーフティネットについて、直接供給に代わり、家賃補助(バウチャー)制度に移行していくことも可能になる。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 住宅セーフティネットの再構築 [359KB]