自治体は他の自治体のベストプラクティスを取り入れるべき
客員研究員
木下 敏之
2007年7月
多くの自治体に必要な人員削減
景気回復による税収増によって、一息ついている自治体もあると思うが、多くの自治体の財政状況は今後も楽観を許されない。特に、人口の減少が始まっていて、地域の主要産業が建設業と行政しかないような自治体は、見通しが暗い。市町村の税収は、住民税と固定資産税から成り立っており、人口減、特に生産年齢人口の減少は、住民税の減収につながる。また、公共事業の削減によって地域の経済活動がなかなか活発化せず、土地を求める需要が少なく、土地価格は下がる。これは、土地価格を基礎とする固定資産税収の減少につながる。
一方、高齢者が増えることがどの市町村でも見込まれるが、このことは、高齢者に対する予算が拡大することを意味している。 多くの市町村において、収入が減って支出が増えるので、色々なサービスを維持しようと思えば、公務員の大幅な削減は避けられないのである。
住民基本台帳や税務関係部門の効率化は手付かず
市町村の行政改革担当者と意見交換をすると、「かなり人員を減らしてきているので、これ以上の削減は厳しい」という人が多いが、筆者としては、まだまだいくらでも効率化できると考えている。特に、住民票関係を扱う部門、税務関係部門、国民健康保健関係部門などは、これまでほとんど効率化のメスが入っていない。
住民票関係では、お客様を待たせないように一つの窓口でいろんな届出等に対応できる総合窓口の導入や、フロアマネージャーを置いて接客をする等の努力がなされているが、郵便局の窓口のように、仕事そのものを大幅に効率化したという話はあまり聞かない。
税務部門も同様で、滞納した税金をどのように取り立てるかということについてはいろんな工夫があるが、事務の効率化について全面的に取り組んだ事例は寡聞にして知らない。
これらの業務は、市役所の組織体制の中では、10%から20%の人員を配置している部署でもある。ある人口16万人の市役所では、市長部局約1,200人のうち、税務関係だけで90名、国民健康保険関係で20名、戸籍及び住基関係で30名の職員が配置されている。これらの業務は、定型的なものや大量のデータを処理するものなど業務改善とIT化になじむものも多い。
(以下、本文省略)
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