富士通総研

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サービス・イノベーション促進に向けた課題
-特別企画コンファレンス-

富士通総研経済研究所は、1月29日月曜日「サービス・イノベーション促進に向けた課題」と題し、特別企画コンファレンスを開催した。会場の経団連会館には約250人の聴衆が来場し、同テーマに対する関心の高さをうかがわせた。

当コンファレンスは、第一部と第二部からなり、第一部は2つの基調講演と研究事例報告、コーヒーブレイクをはさんで第二部はパネルディスカッションにより構成された。冒頭の島田晴雄理事長の挨拶に次いで、明治大学大学院の近藤隆雄教授が「サービス研究の現状と今後の展望」と題して基調講演を行った。同教授は15年以上もサービス研究に従事している同分野の第一人者であり、講演内容も研究の系譜とサービス・イノベーションに関する含蓄に富んだ内容となった。

次いで、東京大学大学院の新井民夫教授による2番目の基調講演、「サービスを科学するための方法論:サービス工学」が行われた。近藤教授がサービス・マネジメントの立場から、要素還元的アプローチの限界を示唆したのに対し、新井教授は要素還元的アプローチのメリットは大きいという立場で、サービスCADといった斬新な手法によるモデル化と設計支援システムの可能性を提示した。

第一部の最後は、富士通総研経済研究所の長島直樹上席主任研究員が研究事例として「新サービス創出-娯楽サービスを中心として」を報告した。娯楽サービスの位置づけ・可能性や成功事例の特徴を考察したほか、富士通総研のサービス・イノベーション研究チーム、他のチームメンバーの研究分野について紹介を行った。

第二部はパネルディスカッションであり、各研究者による最新の問題意識が披露された。パネリストは全員、富士通総研「サービス・イノベーション研究会」のメンバーであり、基調講演を行った近藤隆雄がコーディネーターを務めた。明治大学の高橋昭夫教授からは、サービス・イノベーションのジレンマとして、ラディカルなサービス・イノベーションほど消費者が感じるリスクが高まり、その受容が困難になるという逆説が示された。新サービス開発の複雑さを示唆する内容となった。

慶応大学の田中辰雄助教授は、情報通信業でのサービス・イノベーションに関する問題意識を語った。「情報通信産業ではモジュール化が望ましいと言われてきたが、今後は統合化が主流になる」との見解は流れに迎合しない新鮮さを感じさせた。

早稲田大学の根来龍之教授は、モノ型からサービス型へビジネスモデルが移行し、IT業界は、「SaaSとBPOの時代」に入ったとの認識を表明した。ITビジネスの最先端を見つめる学者の新たな知見に、多くの参加者が頷く姿が印象的であった。

一橋大学の藤川佳則専任講師は、日本発のサービスの国際化事例が少ないのはなぜか、という問題意識に基づき、段階や戦略的意味とともに成功事例を提示した。コーディネーターの近藤教授も注目する斬新な視点であった。

最後に富士通総研の長島は、サービス体験の評価に関する心理学的知見と最近のアンケート調査から類推されるインプリケーションを報告した。

会場からの質問も、教育サービスの問題点、日本独自の総合商社の意義、顧客満足を決める時点など多岐にわたり、盛会のうちに今回のコンファレンスは幕を閉じた。

13時~13時10分 開会挨拶
経済研究所理事長 島田 晴雄
第一部
13時10分~13時55分 基調講演「サービス研究の現状と今後の展望」
明治大学大学院 教授 近藤 隆雄
13時55分~14時40分 基調講演「サービスを科学するための方法論-サービス工学-」
東京大学大学院 教授 新井 民夫
14時40分~15時10分 研究報告「新サービス創出-娯楽サービスを中心として-」
富士通総研経済研究所 上席主任研究員 長島 直樹
15時10分~15時25分 休  憩
第二部
15時25分~16時55分 パネルディスカッション「サービス・イノベーション促進に向けた課題」
【パネリスト】明治大学 教授 高橋 昭夫
慶應義塾大学 助教授 田中 辰雄
早稲田大学大学院 教授 根来 龍之
一橋大学大学院 専任講師 藤川 佳則
富士通総研経済研究所 上席主任研究員 長島 直樹
【コーディネーター】 明治大学大学院 教授 近藤 隆雄
16時55分~17時 閉会挨拶
富士通総研 専務取締役 根津 利三郎

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF サービス・イノベーション促進に向けた課題-特別企画コンファレンス- [137KB]