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  5. 金利プライシングの統計的分析

金利プライシングの統計的分析

研究顧問 (早稲田大学教授)岩村 充 / 客員研究員 (一橋大学教授) 渡辺 努 / 研究員 齊藤 有希子

2006年7月

目次

1.はじめに
2.使用データと分析手法
2.1.使用データ
2.2.分析手法
3.PDの統計的性質
3.1.PDの精度
3.2.PDのクロスセクション分布
3.3.PDの遷移
3.4.マルコフ過程下の遷移プロセス
3.5.履歴効果
4.金利の統計的性質
4.1.金利のクロスセクション分布
4.2.金利の遷移
4.3.遷移プロセスの性質
5.PDと金利の変動の比較
5.1.順位に関する遷移行列の比較
5.2.履歴効果の比較
6.おわりに

要旨

中小企業が金融機関等から借入れる際に適用される金利は信用リスクを適切に反映しているのだろうか。この点について考察するため、本稿では、約50万社の中小企業について1995年から2003年までの9年間の金利とPD(Probability of Default、推定デフォルト率)の変遷を解析した。本稿の主要なファインディングは以下のとおりである。第1に、各年のクロスセクション分布はほぼ同じ形状をしており、また、そこから一旦乖離しても復元性がある。この意味で両変数のクロスセクション分布は定常性をもつ。第2に、金利とPDのある年からその翌年にかけての遷移はそれぞれの過去の動きに影響されており(「履歴効果」)、両変数ともに、ある年に上昇または下落すると翌年はその反対の方向に変化する確率が高まるという引き戻しの傾向が見られる。このように、金利とPDの変遷は、定常分布に収斂しようとする力と元の水準に止まろうとする力の綱引きで決まっている。第3に、PDと金利を比較すると、金利の方が過去に引きずられる度合いが弱い。これらのファインディングは、金融機関等がPDの趨勢的な変化と一時的な変化を区別した上で、趨勢的な変化が生じたときに限って金利を変更している可能性を示唆している。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF 金利プライシングの統計的分析 [560 KB]