京都議定書発効とアジアでの取り組み
主席研究員 武石 礼司
2005年10月
目次
1. はじめに
2. 日本のCO2対策の現状
2.1. 日本の温室効果ガスの排出量
2.2. 排出量削減のための手立て
2.3. 森林吸収の可能性
2.4. 日本国内の温室効果ガス削減のための施策
2.5. 日本のエネルギー源別、部門別のCO2排出量の検討
2.6. 産業部門のエネルギー効率向上、CO2削減のための自主的取り組み
3. アジアでの取り組みの必要性
3.1. アジア諸国のCO2排出量
3.2. アジアのエネルギー多消費産業の環境負荷性の比較
4. 日本のCDMへの取り組み
4.1. CDMの実施プロセス
4.2. CDM実施可能性の評価
5. 日本企業の課題
6. 日本政府・行政の課題及び日本への影響とアジアへの再波及
6.1. 日本への影響 - 日本政府・行政の課題
6.2. アジアでの取り組みと日本・アジアへの再波及
要旨
京都議定書が2005年2月16日に発効したことで、日本は2008年から2012年の間に温室効果ガスの排出量を1990年比で6%減らす国際的な義務を負った。ただし、国内での温室効果ガス排出量削減の諸施策を実施するのみでは、6%の削減目標には全く届かない見込みである。このため、日本は、京都メカニズムと呼ばれるCDM(クリーン開発メカニズム)に、アジア地域との間で取り組む必要が生じている。
本報告では、日本とアジアとの関係の深化が、京都議定書の発効により促されるという点を指摘した。CDMを実施していくためには、日本が国としてのCDMから得られる利益を最大限享受するための戦略を持つ必要がある。こうして、京都議定書の目的に従い、日本及び日本企業が、ともに温室効果ガスを国内と国外との両方で削減することを目指すことにより、「省エネ」実施の意味が、はじめて日本を含めたアジア全体で理解されるに至るという点も指摘した。最終的には、日本企業の取り組みが変わる必要が生じ、日本国内の制度そのものの組み換えという結果がもたらされるであろうという点についても指摘を行った。政府の役割、既存の政策の枠組みに変更を迫る大きな課題の存在が明らかとなる点も指摘した。
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