日本型IT産業クラスターの形成に向けて - ネット企業の企業間ネットワークからの視点 -
上級研究員 湯川 抗
2005年10月
目次
1. はじめに
2. 本研究の目的と方法
2.1. 研究の目的
2.2. 研究の方法と手順
3. クラスターの現代的意義と企業間ネットワーク
3.1. これまでの産業集積論とクラスター理論
3.2. クラスターと企業間ネットワーク
4.企業間ネットワークが企業に与えるプラスの影響
4.1. 成長性に関する決定木分析
4.2. 収益性に関する決定木分析
4.3. プラスの影響を与える企業間ネットワーク
4.4. 大企業からの投資の影響
5. 大手IT企業への期待
5.1. 投資目的
5.2. 投資案件の採択方法
5.3. 大手IT企業への期待
6. 政策的インプリケーション
要旨
クラスターやその内部に立地する企業にとって重要なのは、企業が近接立地しているという事実ではない。企業間にどのようなネットワークが存在し、それがどのように各企業の業績に影響を及ぼしているかである。東京都区部におけるインターネット企業のクラスターにおける企業間ネットワークを分析したところ、投資家によって形成された企業間ネットワークが企業の成長性や収益性に影響を及ぼしている可能性がある。
このような企業間ネットワークの影響は投資家としての大手IT企業によってもたらされており、シリコンバレーにみられるような、VC(ベンチャーキャピタル)によってもたらされているものではない。また、実際のビジネスの上でも大手IT企業はネット企業にとってのビジネスの供給者として重要な役割を果たしている。したがって、短期的にはこれら大手IT企業の投資の活性化を促していくことが、日本型クラスターの発展につながる可能性が高い。
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