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ドイツとの比較分析による日本林業・木材産業再生論

主任研究員 梶山 恵司

2005年7月

目次

1.はじめに
2.林業・木材産業の日独比較
2.1.森づくり
2.2.木材生産の採算性と木材販売
2.3.原木流通
2.4.製材工場と製材品
3.日本林業が直面する課題
3.1.林業コストの削減
3.2.需要拡大ではなく「供給拡大」
3.3.規模の取りまとめと森林組合の実態
3.4.森林組合の先進事例
4.富士森林再生プロジェクト
4.1.森林組合の社会的サポート
4.2.パイロットプロジェクトによる手法開発
5.おわりに

要旨

1.ドイツの森林面積は1,000万haとわが国人工林と同じながら、そこからはわが国の3倍もの材が毎年安定的に生産され、これを地域で加工・利用する「木材チェーン」が成立している。ドイツ林業を支えるのは、長伐期・非皆伐施業と、実際に生産可能な森林資源の適切な把握(=在庫調査)に基づく木材の安定供給である。ドイツ林業は、わが国林業のモデルとなりうる。

2.ただし、林業の基礎的条件である所有者の特性に関しては、日独で大きく異なる。ドイツでは経営意欲の強い農家林家が主体であるのに対し、わが国では、個人所有者のほとんどは林業に対する知識も関心もない。このため、所有者に働きかけを行いこれを取りまとめる組織が、林業再生のために決定的に重要な存在となる。

3.所有者取りまとめというソフト事業は競争政策が機能しにくいことから、所有者のための組織である森林組合以外に、その中核的担い手となりうる組織は存在してない。ところが森林組合のほとんどは、所有者ための仕事はそっちのけで公共事業に奔走しているのが現状である。それゆえ、森林組合の抜本的な改革が不可欠となる。

4.現代林業の担い手としての森林組合に求められる能力は、森づくりのみならず、他の林業関係者との連携、マーケティング等、多岐にわたる。このため、民間、行政、研究者等が、対等な関係に基づくパートナーシップを組んで、森林組合をサポートする体制を構築することが、日本林業再生のための具体的な第一歩となる。

5.こうした認識に基づき、林業再生の普遍的なモデル構築を目指した「富士森林再生プロジェクト」を実施した。その結果8haの取りまとめに成功し、現状でも事業として成立するのみならず、生産性向上による更なる収益改善の余地が大きいことが判明した。

全文はPDFファイルをご参照ください。

PDF ドイツとの比較分析による日本林業・木材産業再生論 [933 KB]